「自然薯の森 山薬」とろろご飯 ◎山より団子◎(0007)
箱根にある自然薯を使ったとろろご飯の専門店です。
<趣意>
恥ずかしながら私はモノグサ者なので登山ではほとんどゴハンはつくりません(めんどい…)。 そういうわけで、登山後のおいしいご飯屋さんを物色中です。 オススメのお店がありましたら、ぜひ教えてください。
●「自然薯の森 山薬」 (じねんじょのもり やまぐすり)
山芋の中でもとくに希少性が高いとされる自然薯を使ったとろろご飯を中心に、そのほかの山芋料理などを提供する専門店です。
自然薯は「山薬」「山菜の王様」とも呼ばれて古来より滋養強壮食として尊ばれています。
山芋料理のほかに箱根・小田原周辺の食材を使った一品料理も楽しめます。
<メインディッシュ>
●山薬とろろ膳
ランチメニューの場合、とろろご飯の定食スタイルですと3パターンがあります。 シンプルなとろろご飯に一品が付いたもの、副菜が三品ついたもの(うち一つは魚か肉かを選択)、豪華に副菜が五品そろったもの。
今回はとろろご飯だけではちょっと物足りなさそうな腹具合でしたので、富士湧水豚の西京焼きがついた「山薬とろろ膳」にしました。
「山薬とろろ膳」のメニュー構成です。 味付のとろろ、麦飯(お櫃に入っています)、山芋のさつま揚げ、山芋のステーキ、豚の西京焼き、海苔の佃煮、香の物、汁物となっています。
とろろは醤油や出汁などで味付けされていると思われます。 そのまま麦飯にかけて食べられる状態です。 また卓上に置かれてある醤油で好みの味に変えることもできます。
最大の特長はなんといっても、やはり自然薯の粘り気の強さでしょうか。 他の食材ではなかなか味わうことがないネバネバ感に加えてさらにモッチリ感も感じられます。 麦飯との相性もバッチリです。 芋の旨みと出汁、白米と麦の風味の調和が口の中に広がり楽しむことができます。
山芋のステーキはステーキという名が付いていますが、いわゆるお肉のステーキをイメージしない方がいいかと思われます。 刻んだイモを擦ったイモで繋いで成形し味噌を加えてステーキのように鉄板で焼いたモノというところでしょうか。 これはこれで濃いめの味噌味でご飯に合う料理だと思います。 お酒にも合いそうです(私は下戸なのではっきりとは言えませんが…)。 ステーキではなく、何か別のもっとよい呼び名の方がいいのではないかなーという印象です。
山芋をつなぎに使ったさつま揚げ(小田原のかまぼこ屋さんと共同開発)も上品な味わいです。 甘めの西京漬けの豚肉も一口サイズの肉が五切れほどあり食べ応えは十分です。
<店舗情報>
自然薯の森 山薬
住 所: 神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下226-2
最寄駅: 箱根湯本駅より箱根登山バスで「ホテル前」バス停
箱根登山鉄道「宮ノ下」駅
地 図: Googleマップ
リンク: 公式サイト
<補足>
お店の構造はちょっと変わっています。 谷の斜面に構築されていると思われるため、道路に面した1階部分はただの入口だけの建屋です。 そこから階段を下りて地下一階が店舗フロアになります。 客席は広い四角形の一面でテーブルは10卓ほどあります。
窓側の席に案内されれば、山と下に早川を望むことができます。 景観としてはなかなか楽しむことができるのではないでしょうか。
地下1階に入口前にある受付機でセルフで登録します。連絡先を登録すれば、案内が近づくとお知らせが携帯電話に通知されるので、入口前の受付で待っていなくてもOKです(入口前の待機場所は10人弱くらいのスペースです)。
定食形式のとろろご飯セット以外にも一品料理がそろっています。また朝食のサービスもあります。
<私的な雑感>
かつては天然物しかなかった自然薯ですが、近年では人工栽培も成立したようで、自然薯料理を提供してくれるお店が東京都心でもみられるようになりました。 そうはいっても一般的な「長芋」と比べて高価ですし、その辺のスーパーマーケットではなかなかお目にかかることもないように思います。
そのため、山の中に入って食べさせてくれると、やはり野趣感のようなものに惹かれて食べてみたくなります。
自然薯は長芋と比べてかなり味の濃厚さや粘り気が段違いのように感じます。 こちらで出されるとろろは出汁でといてあるので、多少は粘度が低くなっているのでしょうが、それでも、トロリというよりは「ドロリッ」あるいは「ネバ~どろっ」という感じでしょうか。 まるで団子かモチのようと思わず唸ります。
今回、注文した「山薬とろろ膳」はとろろだけでなく、副菜も充実しており、魚や肉もチョイスできるので、お肉を食べたいなーという方にもオススメではないかと思います。
個人的な好みの問題ですが、醤油の風味はもうすこし薄めの方が嬉しいなーという気がします。 自宅でとろろご飯を食べるときは、好みで醤油を徐々に足していくので、そちらの方が自然薯の風味が分かりやすいかなと感じました。 もちろん、最初の味付けが濃くて自然薯の味を損ねている訳ではありません。 きちんと芋の風味も楽しめます。
お櫃に入った麦飯は1人前どころか2人前くらいありそうです。 副菜のおかげで、ついつい全部たいらげてしまいそうになりますのでキケン(?)かもしれません。 お腹がパンパンに膨れてしまいそうです…。
しいて短所をあげるならばアクセスでしょうか。 観光客にとってはとくに問題ないかと思いますが、登山帰りはちょっと立ち寄るのが中途半端なところにあります。
そうはいっても広い箱根に数ある料理店のなかでも、わざわざ立ち寄る価値のある一軒といえるのではないでしょうか。
自然薯のとろろの美味しさと充実した副菜にお腹も心も満たされました。 ごちそうさまでした!!
<付近の山>
明神ヶ岳
明星ヶ岳
金時山
<備考>
●お土産
とろろご飯のセットをお持ち帰りや配送することも可能です。
●入浴施設
徒歩圏内に日帰り入浴施設もあります (太閤湯)
●交通安全注意
車道は狭くて交通量が多いうえ、ちょうど道路が屈曲していて往来が分かりにくいので、バス停とお店の間を歩く際は注意が必要と思われます。
●ヤマノイモ (Wikipedia)
●ヤマノイモと滋養強壮 (わかさ生活)
<バックナンバー>
バックナンバーはnote内マガジン「山より団子」にまとめております。
0001 釜めし なかい /釜飯 (川井/奥多摩)
0002 古久や /武蔵野うどん (飯能)
0003 田むら 銀かつ亭 /豆腐カツ (箱根・小田原)
0004 明治亭 /ソースかつ丼 (駒ヶ根)
0005 いのしか亭 /鹿肉の生姜焼き (三峰口/秩父)
0006 長田本庄軒 /ぼっかけ焼きそば (立川)
<ご留意点>
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(2022/04/20 上町嵩広)