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部下を成長させるための必須スキル〜管理職が絶対に学ぶべきフィードバックの技術〜⑤
こんにちは。
”教え方を知らない”上司が非常に多い中、新しく管理職になる方も教え方を教わる機会はほとんどないと思います。
何も学ばずに大変なことになる前に、フィードバックの技術を学んでおきましょう。
それでは前回に引き続きフィードバックの技術の続きをやっていきます。
参考図書はこちらです。
フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術 (PHPビジネス新書) https://www.amazon.co.jp/dp/4569832903/ref=cm_sw_r_li_api_i_DMTT4CDP22138VNCMEKW
🔷フィードバックの方法のおさらい
前回まででフィードバックの事実通知の説明まで行いました。
収集した相手の問題行動を、いわば「鏡」のように相手の目も前に映し出し、客観的かつ正確に事実を通知していくことが重要だとお伝えしました。
今回は問題行動の腹落としから見ていこうと思います。
ちなみにフィードバックの具体的な方法は以下になります。
事前の情報収集
↓
①信頼感の確保
②事実通告(鏡のように情報を通知する)
③問題行動の腹落とし(対話を通して現状と目標のギャップを意識させる)
④振り返り支援(振り返りによる真因究明、未来の行動計画作り)
⑤期待通知(自己効力感を高めて、コミットさせる)
↓
事後のフォローアップ
それでは、いきましょう!
🔷問題行動の腹落とし
部下に客観的かつ正確に事実通知を行いましたが、話しただけで相手に伝わっているかというと、まだまだ不十分です。
一方的に部下に対してSBI情報を投げつけただけでは、まだ相手の理解は得られていません。
上司は「言ったことは聞いていて、腹落ちしているだろう…」と思っています。
対して部下は言われたことは聞いておらず、腹落ちはしていません。
伝えたからといってすぐに相手の行動変容につながるわけではないんです。上司部下間であるあるのお互いの見解の不一致ですね。
この見解の不一致を前提として、相互の理解が一致する段階まで時間をかけて対話を行うことが重要です。
指摘事項を改めて見直し、現状が目指すべき目標と相当かけ離れていることをしっかりと認識してもらいましょう。
🔷振り返り支援
上司部下の見解が合致したら、次は振り返り支援です。
現状と目指すべき目標とのギャップをどうやって埋めるのかの目標設定を支援します。
ここでのポイントは部下が自らの姿を客観的に見ることができるように、部下自身に自分の過去、現状の状況を「言葉にさせる」ことです。
ただ、この「言葉にさせる」ことは部下の立場からすると非常に難しく、そう簡単ではないので、部下が沈黙しても言葉にできるまでじっと待ってあげましょう。
そして言葉にさせる時にないように過不足があるといけないので以下のような流れで具かに答えてもらいます。
①What?〜何が起こったのか?〜
具体的にwho(誰が)when(いつ)where(どこで)what(何を)に沿って答えてもらいましょう。
②So what?〜それはなぜなのか?〜
真因を究明することです。目に見えない問題行動の真因を探ってもらいましょう。
③Now what?〜これからどうするのか?〜
ゴールに向かってどのようなアクションプランで進むのか計画してもらいましょう。
これらの項目に沿って部下自身の言葉で決めた内容を語れるように支援していきましょう。
また、経験も知識も浅い部下にとっては問題解決策の計画立案は相当ハードルが高いものになります。部下の中に計画立案のための材料や経験がまだない場合があるので、そのような場合はティーチングを用いて教えてあげることも大事です。
これは部下が考えることだ。と思考停止になって仕事を丸投げしないように、適切なフォローを入れるように心がけましょう。
🔷期待通知と事後のフォローアップ
フィードバックの最終行程です。
期待通知には二つのポイントがあります。
一つ目は上司がしっかりと期待を伝えるというもので、フィードバックを受けた部下を孤独にしない。というものです。
これまでのフィードバックにおいて少なからず部下はショックを受けているかもしれません。自己肯定感が下がった状態ではなかなかモチベーションも上げていけず、立てた対策も効果を十分に発揮できません。上司の期待を伝えて一緒に歩いていくことを伝えましょう。
二つ目は再発予防を行うことです。
問題が再発することを前提として、その予防策を事前に立ててもらうようにしましょう。
どんな場合に再発して、再発しそうになったら自分はどうするのか?を考えてもらうようにしましょう。
そして期待通知まで終わったら今後は事後のフォローアップが重要になってきます。
指摘するだけしてあとはほったらかし…な上司さんが多いように思いますが、一回のフィードバックでは部下が忘れてしまうかもしれません。フォローアップの面談の時間を細かく取っておくようにして、ずれる方向性をその都度修正してあげるようにしましょう。
人を変えるためには手間暇をかけてあの手この手を尽くさないといけません。行程通りにフィードバックを行ってからが部下にとってはスタートです。
そこから部下が成長できるかどうかは上司のフォローにかかってきますので、そのことを忘れないようにしてください。
それでは今回はここまで。
次回はフィードバックの実践編と称して、フィードバックを行う上での心構えやポイントなどをお伝えしていきます。
それでは、また。