接客サービススキルの基礎【周辺視野を使いこなす】
こんにちは!
最近ベテランと新人のスキルの差を見ていて「仕事ができる人とは具体的に何ができるのか?」とかを延々と考えてまして、色々と思い浮かんできました。サービスができるという抽象的な部分はどんな具体的なスキルによって成り立っているのかを考察していきましょう!
今回は、周辺視野編です。
サービスができる人はよく「視野が広い」と言われますが、視野が広い人は広範囲を見渡していてお客様の状況を常に把握しています。ただ、視野が広いといっても視野角が人によって違うのかというとそういうわけではありません。ちなみに人の視野角はだいたい180~200度と言われています。
視野角はみんな同じなのになぜ差が出るのか?
ほとんどの人は周辺視野を使っていない
視野角は180~200度ですが、ほとんどの人はだいたい60度くらいの範囲しか把握していません。実際しっかり見えているのは20度くらいの狭い範囲で、周囲はピントがずれてぼやけて見えています。
このピントがずれてぼやけている範囲を周辺視野と呼びます。
サービスができない人のほとんどはこの周辺視野をうまく活用できていません。実は、この周辺視野から得る情報が結構有益で、お客様やスタッフの動きを察知することに役立ちます。
サービスができる人は周辺視野を余すことなく使います。このぼやけている範囲に意識を向けて、視界から非常に多くの情報を取り入れて、サービスを行っていきます。
ちなみに真横くらいのぎりぎり見えているかいないかの角度の周辺視野を認識できるかどうかが結構重要で、この範囲を把握できないとあまり意味がありません。もちろんピントは正面に合わせた状態で、です。一度やってみると分かりますが、対象物が近ければ見えないこともないですが、遠いと見るのは結構難しいと思います。
周辺視野から得ることができる情報とは?
では、周辺視野からどんな情報を得ることができるのか?基本的な情報としてはスタッフとお客様の動きです。
スタッフの動きを把握することで、連携をうまく取ることにつながります。お客様の動きを把握することで、お客様の要求にいち早く気づくことができます。
この動きというものがどこまで具体的にわかるかというと、入り口に入ってくるという基本的な動きから、お客様やスタッフがどこを見て、どう動いているのか?メニュー選びが終わった時の動きや、服の色や歩き方などの動き方などもわかります。
周辺視野で把握できないものは何か?
では逆に、周辺視野で確認できないものはなんなのか?
基本的に周辺視野で把握することができるのは「動き」と「色彩」なので、お客様の顔の向きはわかっても、目がどこを向いているかはわかりません。また、テーブルやお皿に料理が残っているかや、お冷やがまだ残っているかといったことまでを周辺視野だけで把握することができません。
静止しているものの詳細な情報は把握できないんです。
周辺視野で何ができるのか?
では実際に周辺視野で動きを把握することで何ができるのか?
以下に列挙していきます。
🔷店外にいるお客様の動きもわかるので、お店に入ってきそうなお客様かどうかの判断ができ、入店の声かけと案内をスムーズに行うことができる。
🔷お客様の顔がこちらを向いていたり、手をあげているのがわかるので、スタッフを呼んでいることに気づくことができる。
🔷メニューを決めた時の動きに気づくことができるので、呼ばれる前に気づくことができる。
🔷人がどちらに向かって歩いているのかを把握できるので、衝突防止につながります。
などなど、これ以外にも多くのことを把握することができます。
さらに、聴力と状況把握力(スタッフ・お客様や店内の状況・流れを把握し、その先の流れまでを予測する能力)を組み合わせると、周辺視野というほんのわずかな情報だけで、実際に見ているかのような動きをすることができます。
例えば、周辺視野によってお客様が手をあげてスタッフを呼んでいることを認識しただけで、注文をとってほしいのか?お皿を下げて欲しいのか?お冷やを注いで欲しいのか?などの具体的なことまでわかるようになります。
*ちなみに、ここで言う状況把握とは、お客様が手を挙げるまでのお客様の状況を把握しているかどうかです。
どうすれば周辺視野が身につくのか?
それでは、どうすれば周辺視野が身につくのか?
まずはフェイスアップです。単純に下を向いているよりも顔をあげていた方がお客様が視界に入ります。視界に入れなければ動きに気づくことができませんので、まずは顔を上げることです。
次に周囲に意識を向けることです。基本的に周囲が気にならないといくら周辺視野で見えていても気づくことができません。周辺視野の見えている範囲にピントを合わせず意識を集中させてみる。
ちなみに私は周辺に意識が向くように、数分に一回キョロキョロしてあたりを見回したり、定期的に店内を見回って周囲を気にする癖をつけるようにしていました。この行動はお客様がいてもいなくても行っていました。
一見すると妙な行動にも見えますが、結局、意識的にいくら気をつけようと思っても意志力だけではなかなか行動につながらないため、具体的な行動を取るしかありません。
具体的な行動を取ると、その行動に合わせたマインドが身につきます。
このように、日々の仕事における意識付けが周辺視野の把握には必要になってきます。実際、習得するには時間がかかりますが、このスキルを習得せずに十分なサービスは行えません!サービスマンの必須スキル、基礎です。
ただ、そう簡単に習得できるスキルではありません。しかし取り組めば必ず習得できるスキルなので、ぜひ頑張ってみてください^^
それでは、また明日です!