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哀れなモンミレイユと僕に外交官のプリンを
「シャトーブリアン」って洋菓子のようだけれど、違うのか。なんでまた、そんな名前が、おかしいじゃないか、なんだか違和感があるぞ。
喫茶店やカフェの冷蔵ケースにアートのように陳列されてそうなものだけれど、なぜそう思うのか自分でもわからないけれど、この感覚に確固たる自信はないのだけれど、シャトーブリアンの正体は牛の肉、、、こうなると納得するまでに時間がかかる。
納得しようがしまいが、「あちらさん」はどち
晦日正月ぐうたん日記4
大晦日
去年の夕方に揺れたんだねと母は言い、まあ大丈夫だろうとは、思えど断言できずに、かといって辛気臭いのも警戒して緊張するのも違うから、、だけどぽかんと忘れちまうのもそれはそれで違う。
姪っ子は覚えてるのか覚えてないのか、一年でたくさん大きくなったとはいえまだまだあどけない顔をしている。
ともあれ乾杯。
小学校の時分の友達のお母さんが働くお寿司屋さん、あらま、10数年ぶり?お久しぶりですっ。
チョコレイトで待ちながら
「チョコレイトいります?」
駅のホームでおそらく知らない女性に声をかけられた。
以前どこかで会った人なのだろうと頭をスクランブルエッグみたいにかき混ぜてどうにかこうにか、彼女を思い出そうとし、大抵そういった場合、僕はコミニケーションがちぐはぐになってしまう。
自責の念と、どうにかやり過ごせやしないかという助平ごころとがごちゃまぜとなって平静を装えないのだ。
彼女の方からどこそこあれこれの時はどうも
私たちブラウニーで会いましょう
「いまどきブラウニーを知らない人なんていないよ」
出会ったばかりの女性に笑われた。
その日は笑われてばかりだった。
はたしてそうだろうか。僕はそのブラウニーというものがそれほど世間に浸透しているとは信じられなかった。
適当に入った喫茶店。何度も前を通ったことがあったが、入るのは初めてだった。
流行のグループや映画を悉く知らない僕に最初は驚いて、それからけたけた笑い、覚えたほうがいいよ、その方が絶対
不意打ち冬将軍は小銭を数えてる
不意打ち冬将軍が小銭を数えてるのを見た(仮)
寝床で物を食うのは行儀が悪いのですよと教えられたからなのかどうなのか、誰も見ていなくとも寝床で食い物を持ち込むことはしない。
ただ横になって、テーブルの上にあるスナック菓子を見つめて暫しが経つ。
何をするにも億劫で、ただ座って菓子を口を運ぶという軽作業ですら面倒がって二の足を踏み、動けないでいる。
昨日お酒を飲んで晩飯を軽く済ませてしまったから朝か
何度も花が咲いて墓が廃れた
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「永い宇宙の時間に規則を見出し花たちはその営みをきめた」
先程まで降った雨がやっとやんで、しかし以前どんより曇り空、次いつ雨が降り出すかわからん。
大仙公園には古墳がいくつかあって(というより古墳があったところに公園ができて) クラフト作家の出店が百近く軒を連ねるイベント「灯火の集い」のせいなのか、それは関係ないのか、朽ち果てた墓場はこの上なくうら寂しい。
説明が書きのされた石膏に子供たちが
みて惑星、自転車流星群
「思えば朝に商店街に来ることなんてなかったなあ」
まだ開店していないお店が多い。
一キロ近くアーケードが続く大きな商店街。
八百屋があって漬物屋があってお肉屋があってカフェ、喫茶店があって夜な夜な猫たちが集まる公園がある。
七夕には、近所のみんなが集まってとっても和やかなお祭りが開かれる、お気に入りの商店街だ。少し家からは遠いが用がなくとも立ち寄りたくなる。
人がいない深夜に商店街を自転車で通り抜
来たる栞日、まぼろしの福の神
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「ぬるいラーメンは駄目だね」
ツミツさんは車に乗り込んだ後にそう呟いて、というのも彼が先ほど食べたラーメンセットの話し。
確かに、ぬるいラーメンはいけない。
僕が食べた蕎麦は温かったけれど、量が侘しく、それに今日歌いにいくところは長野県松本、信州そば、味の文化財、、何もここで蕎麦を食わなくてよかったなあと後悔したときには、遅かった。「きつねそば」引き換えチケットがひょろり出てきたところだった
月見ル君と僕にゃ宿はなし
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僕が遠出するとなると、落し物やらなんやらの一つ二つのトラブルに見舞われるのが普通で、それを避けることは不可能の近く、殆どあきらめている。
行きの電車、切符を無くして改札を通れなくなってしまった。駅員さんに聞くと「さいどお支払いいただくしかないですね」冷酷な一言、つっけんどんに突き放されてしまう。
彼女の態度や言葉に侮蔑の念が込められていやしないかと疑心暗鬼になる。だって、一つ目の改札は潜れ