おかしな「喜び・歓喜」 ~マンガ「対ありでした。〜お嬢さまは格闘ゲームなんてしない〜」の場合
◆概要
【おかしな「喜び・歓喜」】は「コメディシーン、ギャグ」に関するアイデア。
◆事例研究
◇事例:マンガ「対ありでした。〜お嬢さまは格闘ゲームなんてしない〜」(第1巻)
▶1
本作の主要キャラの1人・美緒(高1女子)。
彼女は、黒美女子学院の生徒である。
黒美女子学院はお嬢様の集う名門校であり、
・Step1:校則が厳しい。例えばゲーム類の持ち込みは厳禁だ。
・Step2:しかしじつは大のゲーマーである美緒。彼女はこっそりゲーム機を校内に持ち込み、1人で密かにプレイしていた。
そんなある日のことだ。
・Step3:美緒はゲームをプレイしていたところを、同学年の綾という少女に目撃されてしまった。やっ、やば!!
・Step4:が、それと同時に気がついた。あの綾という子……もしかして私同様にゲーマーなのでは!?
・Step5:美緒は歓喜する!おお、ゲーム仲間!このお嬢様学校に仲間がいるとは!ぜひ一緒にプレイしたい!!
というわけで翌日の放課後、
・Step6:美緒は綾に接近した。
・Step7:そして綾の手を取ると、「深月綾さん」「――これ、アケコンだこですよね?」。「アケコンだこ」とは、アーケード型コントローラーの使いすぎによってできるたこのことである。
・Step8:さらに美緒は言った「それに……あの…………深月さん、昨日つぶやいてましたよね……”π4”って――」。「π4」とは、格闘ゲーム「Iron Senpai4」の略称である。
・Step9:美緒は次第に早口になっていく「深月さん……位置的にゲーム画面見えてなかったはずですよね……なのに、あの」「私がやってたのが『Iron Senpai』……しかも『4』って音でわかるってそれって……」「……つまり、あのっ……あの!!!」。
そして、
・Step10:美緒は叫んだ「ぁあァた格ゲーマ"ーッッ……」。――興奮のあまり唇を噛んでしまったようだ。美緒の唇から血が噴き出した。ピピピッと綾の顔にも血しぶきが飛ぶ。
・Step11:しかし美緒は気にしない。しゃべり続ける。
・Step12:が、今度は興奮のあまり舌が上手く回らぬようで「カカッ……カヒュ」「カッ……」「ハフッ……」「格ぶじゅ」「ガッ……」「……格」と散々奇声を発した挙句、「かか格ゲーマーですよねッ…………!!!!」。
・Step13:そのあまりの迫力に怯えつつ、綾はうなずいた「…………………………そう………ですけど……?」。
▶2
お嬢様学校に通う美緒は、ある日気がついた。
指にできたあのたこ、音だけでソフトの名前を言い当てる知識……間違いない!綾は自分と同じく格闘ゲームマニアだ!まさかこの学校に仲間がいたとは!!
美緒は大感激。
興奮のあまり唇を噛んでしまって血が噴き出すわ、舌が上手く回らぬらしく奇声を発しまくるわ、とんでもないことになる。
「嬉しいのはわかるけれど、いくら何でも興奮しすぎだろ(笑)」「血をまき散らすな(笑)」「こいつどれだけ奇声を発するんだ!?(笑)」と思わず噴き出してしまった読者は少なくないだろう。
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