実践!!過去の名作に<なろう系タイトル>を付けてみようよ!
★本記事は、以下の記事の続きです。
★前記事のおさらい
・要点①:なろう系タイトルは、①長いし、②説明的だし、その上少なからぬ作品には③「無双」「チームアイテム」「S級」「××の件」といったテンプレ的な単語が使われているし……揶揄する人の気持ちもわからなくはない!
・要点②:でも、だからといって頭ごなしに否定していてはダメだと思う。いろいろと学ぶこともあるはず!
・要点③:例えば、「元カレとセスナに乗ったらパイロットが死んじゃった話」という映画の邦題。<多くの人が何となくストーリーを想像できる>という意味で、これはじつに秀逸なタイトルだ!
皆で一緒に<なろう系タイトル>を考えよう!
三葉 なろう系タイトルを揶揄する人は少なくないけどさ。
清水 うん。
三葉 そういう人は、試しに1度それっぽいタイトルを自分で考えてみればいいと思うんだ。<なろう系タイトルを付けるのって、こんなに難しいことだったのか!>と驚くはずだよ。
清水 そうね。
三葉 そりゃさ、<○○が××で□□の件>だの、<○○が××で□□なのだが>だのといったそれっぽいタイトルをテキトーに考えるだけなら簡単さ。でも、それではダメだ。少なくとも【①読者・鑑賞者の興味を惹くこと、②作品の内容や作風から逸脱していないこと】という条件を満たす必要がある。
清水 ふむふむ。
三葉 そしてこれ、結構難しいことだよ。
清水 ふむ。
三葉 ということで今日は、<実践!!過去の名作になろう系タイトルを付けてみよう!>です。
<登場人物紹介>
・清水:マスター・オブ・アニメ。年100作以上のアニメを見続けて20余年。
・三葉:清水とは中学からの友人。清水の影響でアニメを見始めた。「シスター・プリンセス」の中では、特に咲耶、衛、雛子が好きです。あと千影。
【ディスカッション①】「ゴジラ」に<なろう系タイトル>を付けてみよう!
三葉 まずは小手調べに……映画「ゴジラ」。「ゴジラ」に<なろう系タイトル>を付けてみよう!
清水 そうだなぁ……「核実験の放射線を浴びたら世界最強の怪獣になった件」はどうかな?
三葉 いやぁ、それはダメだろ(笑)
清水 えー!
三葉 いやいや(笑)。まずさ、なんでゴジラ目線のタイトルなんだよ!
清水 あっ、そうか(笑)
三葉 そしてそもそもさ、「ゴジラ」映画の<売り>は何なのか?
清水 んー。いろいろあるけれど、やっぱり1番はゴジラが街を破壊しまくるシーンじゃないかな?
三葉 だとすれば、破壊シーンの<スカッと感>とか<迫力>、あるいは<すべてを破壊し尽くすサディスティックな歓び>とか<背徳感>……いや、<背徳感>は違うかな?(笑)まぁとにかく、そういった最大の<売り>が鑑賞者に伝わるタイトルじゃないとダメだろ。そうでなければ、鑑賞者が見たいと思ってくれないよ。
清水 確かにそうだ(笑)
【ディスカッション②】「走れメロス」ならどうする?
<1>
三葉 続いてのお題は「走れメロス」!メロスを<なろう系タイトル>にしてみよう。
三葉 例えば、「どうしても妹の結婚式に顔を出したくて、親友に人質になってくれと頼んでみた」なんてどうかな?……いや、待った。これはダメだな。
清水 そう?
三葉 ヒキが弱すぎない?
清水 いやぁ、俺は悪くないと思うけどな。「『人質になってくれ』と頼まれた親友はどう答えるんだろう?」と気になるよ。読んでみたくなる。
<2>
三葉 ではもう1つ、「ムカついたから王に暴言を吐いたら、死刑判決を食らった件」はどうだろう?こっちの方がいいよね?
清水 うん、ヒキが強いな。
三葉 だよね!
清水 特に「死刑」がいいね。<死刑>とか<デスゲーム>とか<皆殺し>とかって言葉に惹かれる人は一定数いるからね(笑)
三葉 あー、ちょっと中二病風の……。
清水 そうそう。
三葉 なるほど。俺も<皆殺し>なんて聞くと、「おっ」と思うな(笑)
タイトルに織り込むべきは<比較的序盤に描かれるポイント>!
清水 そういえばさ。
三葉 うん。
清水 なろう系作品には、<比較的序盤に描かれるポイントをタイトルに織り込むベし>という暗黙の了解があるんだ。
三葉 へぇ。どういうこと?
清水 例えば「走れメロス」に、「真の友情に触れた王が改心した件」なんてタイトルを付けたとしよう。一見するとそれっぽく見える。
三葉 ふむふむ。
清水 でも、これではダメなんだ。なぜなら、現代の読者・鑑賞者はせっかちだからね。<タイトルに織り込まれたポイント>が早々に出てこないとそっぽを向いてしまう。「タイトル詐欺かよ」とか「テンポがノロいなぁ」とかって具合に。
三葉 なるほど。
清水 「走れメロス」で王が改心するのは終盤だ。だから、<改心>をタイトルに織り込むのは最善手とは言えない。タイトルに入れるべきは、あくまでも序盤の内に回収されるポイントだよ。
三葉 「死刑判決を食らう」とか「親友に人質を頼む」とか、その辺りかな?
清水 そうそう。それがセオリーだね。
三葉 ふーむ……そんなせっかちになってどうすんだろうって気もするけど……まぁ、それが時代の流れなら無視はできないね。流れに乗るにしろ、敢えて無視するにしろ、セオリーは頭に入れておくべきだろうなぁ。
【ディスカッション③】今度は「けいおん!」
<1>
三葉 次のお題は「けいおん!」にしよう。
清水 よし!
三葉 「けいおん!」の序盤で回収される魅力的なポイントといえば……「カスタネットしか叩けない私が軽音部のギター担当になった件」とか?
清水 第1話の見どころといえば「うんたん」だもんね(笑)
<2>
三葉 続いて……「えっ!軽音部って、軽い音楽をやる部じゃなかったの!?」ってのはどうかな?
清水 ふむふむ。それも第1話の有名なエピソードだね。
<3>
三葉 第1話ではなくて、第2話の出来事をタイトルに織り込むならば……。
清水 「私、高校デビューで軽音部に入りました! ~でも、なぜか毎日お茶を飲んでお菓子を食べています」かな?
三葉 それだ(笑)
【ディスカッション④】最後は「涼宮ハルヒの憂鬱」だ!
三葉 「涼宮ハルヒの憂鬱」といえば、2000年代を代表する作品だけど……。
三葉 もし発売がいまだったら、全然違うタイトルになっていたんだろうなぁ。
清水 そうね。例えば「この女、超面倒くさい! ~俺が、神にも等しい美少女同級生のご機嫌とりをすることになった件」かな?(笑)
三葉 いいねぇ(笑)あっ、でもストレートに「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい、以上!」かも。
清水 それ、ありそう(笑)
★皆さんも、ぜひ<なろう系タイトル>に挑戦してみてくださいねー!!
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(担当:三葉)
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