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「わかりきったこと・言うまでもないこと」を敢えて指摘して、相手を笑わせたり、その場の雰囲気をほぐしたりする ~映画「ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金」の場合

カーショウ「(ウェイトリフティングに励みつつ)体を鍛えるのは大事なことだが、しかしこのウェイトリフティングってやつはどうも好きになれんな」
トレーナーのダニエル「なぜです?」

カーショウ「(笑顔で)重いからさ」

映画「ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金」




◆概要

【「わかりきったこと・言うまでもないこと」を敢えて指摘して、相手を笑わせたり、その場の雰囲気をほぐしたりする】は「魅力的なセリフ、会話」を作るためのアイデア。


◆事例研究

◇事例:映画「ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金」

▶1

本作の主要キャラの1人・カーショウ(50代頃の男性)。

彼は、とあるジムの会員。ダニエルというパーソナルトレーナーから指導を受けている


ある日、

・Step1いつものようにウェイトリフティング(重量挙げ)に励んでいた時のことだ。

・Step2:カーショウが言った「体を鍛えるのは大事なことだが、しかしこのウェイトリフティングってやつはどうも好きになれんな」。

・Step3:ダニエルが訊く「なぜです?」

・Step4:するとカーショウは笑顔で「重いからさ」


▶2

ご注目いただきたいのは、「(ウェイトリフティングってやつはどうも好きになれない。なぜならば)重いからさ」というカーショウのセリフである。

「ウェイトリフティング=重くて大変」というのは、言うまでもなく当たり前のことだ。そもそも、重くて大変でなければトレーニングにならないではないか。

しかしカーショウは、その当たり前のことをわざわざ指摘した。

なぜか。

ジョークである。

つまりこれは、【「わかりきったこと・言うまでもないこと」を敢えて指摘して、相手を笑わせたり、その場の雰囲気をほぐしたりする】という技法だ。


この技法を使ったことで、なかなかどうして愉快なシーンになったといえるだろう。

また、カーショウがユーモアセンスを持ち合わせた人物であることがよく伝わってくるようになった。


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