メタファーやシンボルの使い方がとんでもない(あまりにも露骨/あまりにも下品/使用シーンが独特すぎるなど) ~アニメ「お兄ちゃんはおしまい!」の場合 #1
◆概要
【メタファーやシンボルの使い方がとんでもない(あまりにも露骨/あまりにも下品/使用シーンが独特すぎるなど)】は「コメディシーン、ギャグ」に関するアイデア。
◆事例研究
◇事例:アニメ「お兄ちゃんはおしまい!」(第2話)
▶1
本作の主人公は、まひろ(20歳頃の男性)。
彼は引きこもりのニートであり、自堕落な生活を送っていた。
ところが物語冒頭、
・Step1:彼は一夜にして、中学生頃の女の子の体になってしまった(!)。
・Step2:原因は、妹のみはり(17歳)だ。彼女が、自ら開発した性転換薬をこっそり盛ったのだ。
・Step3:まひろは仰天する。だが、如何ともしがたい。かくして「女の子としての暮らし ≒ みはりの妹としての生活」が始まったのだった。
それからおよそ1ヶ月後、
・Step4:まひろは初潮を迎えた。
・Step5:彼は大ショックを受けるが、兎にも角にも放っておくわけにはいかぬ。みはりのアドバイスを受け、トイレでナプキンを付けた。
・Step6:しばらくして、リビングに戻ってきたまひろ。
・Step7:みはりが訊く「ちゃんと付けられた?」。
・Step8:まひろは「たぶん……」と答えるものの、だが落ち着かない様子。彼は続けた「なんかゴワゴワする……。女子ってほんとにこんなの付けてんの?ううっ……違和感すごいんだけど……」。
▶2
ご注目いただきたいのは、Step8である。
ナプキンを付けてリビングに戻ってきたまひろ。彼はその異物感に戸惑う……というこの場面、画面中央に「天井から吊るされた細長くて白い照明器具」が映る。
「画面の右側にまひろ、左側にみはり、そして中央にでーんと細長くて白い照明器具」という構図だ。照明器具がメチャクチャ目立つ。
なぜここで照明器具かというと、もちろん、そう!
「まさかこれって……この細長くて白いものは……間違いない!ナプキンの象徴だ!(笑)」「何も画面中央にナプキンを象徴するものを映さなくても(笑)」「どういうシンボルの使い方だよ!(笑)」と思わず噴き出してしまった鑑賞者は少なくないだろう。