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バイオニクス法を使って新武器・新技を開発する

竹は折れることなく、槍がぶつかったところからぐにゃりと曲がり、サンダの方に倒れ込んできた。サンダははっと息を飲む。

映画「少林寺三十六房」


◆概要

【バイオニクス法を使って新武器・新技を開発する】は「修行、特訓」に関するアイデア。

「バイオニクス法」とは、生物の生態や構造を参考に新しいアイデアを得ようという発想法である。考えてみれば、あらゆる生物は厳しい生存競争をくぐり抜けて今日まで生き残ってきた強者なのだ。そんな彼らから学ぼうというのがこのバイオニクス法。例えば、撥水繊維が、蓮の葉の表面構造にヒントを得て開発されたことはよく知られている。

具体的にいうと……「どうにかして敵を倒せぬものか?」と悩みまくる主人公。そんな時、ごくありふれた動植物が彼に閃きを与えてくれた「そうか!この○○を応用すればいいんだ!」と。そんなエピソードを描こう。


◆事例研究

◇事例:映画「少林寺三十六房」

▶1

主人公サンダが三節棍を考案するシーンがある。

まずは経緯をご紹介しよう。すなわち……サンダは少林寺での修行を終えるにあたって、卒業試験として戒律院住持と手合わせをすることになった。戒律院住持は、少林寺のナンバー2だ。5年間の修行によっていまや武術の達人となったサンダだが、しかし戒律院住持はもっとずっと強かった!

・1回目の手合わせ:サンダは棒術で戦う。しかし戒律院住持は圧倒的に強い!サンダは手も足も出ない。

・1回目の手合わせの後:サンダは武器をさすまた風の槍に替え、修行に励んだ。

・2回目の手合わせ:サンダは槍を持って戦いに挑む。だが、やはり手も足も出ない(「これが実戦なら17回は殺されていた」とのこと。17回って!)。


で、2回目の手合わせの後である。

竹林の中、サンダは槍を振り回して修行に励んでいた。間もなく、槍が1本の竹にぶつかった。竹は折れることなく、槍がぶつかったところからぐにゃりと曲がり、サンダの方に倒れ込んできた。

サンダはハッとする。この動きは……!そう、サンダはぐにゃりと曲がる竹を見て三節棍を閃いたのだ。

そして3回目の手合わせ、サンダは三節棍独特の動きで戒律院住持を翻弄し、互角以上に戦ってみせたのだった。


▶2

上述の通り、「ぐにゃりと曲がる竹」がサンダに閃きを与えた。つまり、彼はバイオニクス法によって三節棍を考案したと言えるだろう。


なお、竹なんてのは珍しいものではない。ごくありふれている。サンダにとっても見慣れたものだったに違いない。

では、なぜその竹からヒントを得ることができたのか?それは、「どうにかして戒律院住持に勝てぬものか?」「何か突破口はないか?」とサンダが悩みまくっていたからだろう。彼は全身全霊で悩んでいた。その結果として、見慣れた竹から閃きを得ることができたのだ。


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