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相手がすでにしたこと・していることに対して、「○○していいよ。おっと、もうしていたか」と皮肉を飛ばす ~ドラマ「After Life/アフター・ライフ」の場合 #2

トニー「(ノックもなしに無断で家に入ってきたダフネに呆れて)さぁ、遠慮なく入って」

ダフネ「(笑って)何?」「勝手に入るなってこと?」
トニー「ノックしろよな」

ドラマ「After Life/アフター・ライフ」(シーズン2の第1話)




◆概要

【相手がすでにしたこと・していることに対して、「○○していいよ。おっと、もうしていたか」と皮肉を飛ばす】は「魅力的なセリフ、会話」を作るためのアイデア。


◆事例研究

◇事例:ドラマ「After Life/アフター・ライフ」(シーズン2の第1話)

▶1

本作の主人公は、トニー(中年男性)。

彼には友人がいる。ダフネ(若い女性)だ。2人は仲よしで、時折ダフネがトニー宅を訪れて一緒に食事をしたりしている。


ある朝、

・Step1:トニーがキッチンで1人朝食を食べていた時のことだ。

・Step2:ふいに勝手口が開き、ダフネが入ってきた

・Step3トニーはびっくり仰天である。何事だ!?今日は会う約束もしていないし、ノックもせずに突然何なんだ?

・Step4:一方のダフネ。彼女はまるでそこが自宅であるかのようにくつろいで、「コーヒーちょうだいね」。勝手にコーヒーを注ぎ始めた。


そんなダフネをしばらく無言で見つめていたトニーだが、

・Step5:やがてわざとらしく明るい口調になって「さぁ、遠慮なく入って」

・Step6:ダフネが笑う「何?」。しかしすぐにピンと来たようで「勝手に入るなってこと?」

・Step7:トニーはうなずいた「ノックしろよな。裸だったかもしれないだろ」。


▶2

ご注目いただきたいのは、「さぁ、遠慮なく入って」というトニーのセリフである。

要するに、無断で入ってきたダフネに対して「せめてノックはしろよな」と抗議しているわけだが――ストレートにそう言ってしまっては何も面白くない。

そこで【相手がすでにしたこと・していることに対して、「○○していいよ。おっと、もうしていたか」と皮肉を飛ばす】という技法の出番だ。「せめてノックはしろよな」を「さぁ、遠慮なく入って。おっと、もう入ってきていたか」と言い換えたことで、ウィットに富んだセリフになったといえるだろう。


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