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「相手が絶対にノーと答える質問」や「トンチンカンな質問」を投げかけることで、嫌みったらしく非難したり皮肉ったりする ~映画「アバウト・ア・ボーイ」の場合
マーカス「それじゃあ12時すぎに迎えにきて」「うちの住所は覚えているよね?郵便番号N1 2SF、ロンドン市イズリントンのクレイスフィールド通り31、フラット2だよ」
↓
ウィル「(マーカスの図々しさに呆れて)確か地球って星にあるイギリスって国だったよな?」
◆概要
【「相手が絶対にノーと答える質問」や「トンチンカンな質問」を投げかけることで、嫌みったらしく非難したり皮肉ったりする】は「魅力的なセリフ、会話」を作るためのアイデア。
◆事例研究
◇事例:映画「アバウト・ア・ボーイ」
▶1
本作の主人公は、ウィル(男性38歳)。
彼は、よくいえば独身貴族、悪くいえばいい年して浮ついたダメ男である。
いろいろあってある日、
・Step1:マーカスから電話がかかってきた。――マーカスというのは、ひょんなことから最近知り合った男子小学生だ。彼は、精神的に不安定な母と2人で暮らしている。
・Step2:マーカスが言った「今度の土曜日に一緒に食事に行こうよ」。
・Step3:ウィルは「ハァ?なんでお前と?面倒くさ……」と思いつつも、「まぁ、かわいそうな子どもを食事に連れて行くくらいいいか……。クールなオヤジだと尊敬されるかもしれないしな」ということでOKを出した。
すると、
・Step4:マーカスは付け足した「母さんも一緒に行くね」「ご飯は奢ってね」「うちは貧乏だからさ」。
・Step5:ウィルは呆れる。こいつ図々しいな……。
・Step6:さらにマーカスは言った「それじゃあ12時すぎに迎えにきて」「うちの住所は覚えているよね?郵便番号N1 2SF、ロンドン市イズリントンのクレイスフィールド通り31、フラット2だよ」。
・Step7:ウィルが訊く「確か地球って星にあるイギリスって国だったよな?」。――もちろん皮肉である。
・Step8:しかしマーカスはそれが皮肉だと気づかなかったようで「そうだよ」と素直にうなずき、それでは用件は以上ですというわけでさっさと電話を切ってしまった。
▶2
ご注目いただきたいのは、「確か地球って星にあるイギリスって国だったよな?」というウィルのセリフである。
要するに「丁寧に住所を教えてくれるのはいいけど……おいおい、お前結構図々しいな」と呆れているわけだが――ストレートにそう言ってしまってはちっとも面白くない。
そこで【「相手が絶対にノーと答える質問」や「トンチンカンな質問」を投げかけることで、嫌みったらしく非難したり皮肉ったりする】という技法の出番だ。「丁寧に住所を教えてくれるのはいいけど……おいおい、お前結構図々しいな」を「確か地球って星にあるイギリスって国だったよな?」という皮肉に置き換えたことで、ユニークで魅力的なシーンになったといえるだろう。
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