アニメ「それでも町は廻っている」第5話前半を2つの視点から分析する☕
引き続き、アニメ「それでも町は廻っている」を分析します。本記事で取り上げるのは第5話前半「辰野トシ子は砕けない」。これ以前のエピソードを分析した記事については、最下の「関連記事」欄をご参照ください!
分析対象
あらすじ
【ポイント①】タッツンが、タッツンらしい戦い方で勝利する物語
<1>
本話は【タッツンが真田をデートに誘わんと奮闘するエピソード】……だが、じつはそこはあまり重要ではない。
より重要なのは、タッツンと歩鳥の関係である。
以下、順を追ってご説明しよう。
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▶前提
・STEP1:歩鳥は天真爛漫な少女だ。グータラな性格でいつも失敗しているように見えるが、持ち前の①ポジティブシンキングと、②強烈なコミュニケーション能力、そして③豪運で、どんなピンチも軽やかに切り抜けていく。歩鳥は太陽のような少女なのだ。
・STEP2:周囲の人は、アホの子・歩鳥に呆れたり、苦笑したりしているが……しかし!それと同時に、心の中では歩鳥を羨ましく思っているはずだ。だって、歩鳥のようにいつもポジティブに、皆と仲よく生きていけたらそれは素晴らしいことだから。
・STEP3:タッツンも例外ではない。というか……タッツンは頭がいい。学校の勉強ができるだけではなく、知恵もある。そして計算高い。つまり、天真爛漫で能天気な歩鳥とは真逆のキャラだ。そしてそんなタッツンだからこそ、他の誰よりも歩鳥を羨ましく思っていると推測できる(隣の芝生は青く見えるものだ)。
▶前半のタッツン
・STEP4:冒頭、タッツンは、自分が歩鳥の影響を受けつつあることに気づく。そう、<タッツンは密かに憧れている歩鳥から無意識の内に影響を受けており、言動が歩鳥っぽくなりつつある>、これがポイントだ。
・STEP5:タッツン自身は気づいていないことだが……その後も、タッツンは<歩鳥っぽい行動>を取り続ける。すなわち、①シーサイドで歩鳥とドタバタすごす、②真っ正面から真田にアプローチしようとする、③廊下を全力疾走して真田を追いかける。知恵者で計算高いタッツンなら本当はもっと計画的に、もっと戦略的に動くはずなのだが……。
・STEP6:タッツンはなかなか真田を誘えない。まぁ、そりゃそうだろう。だって、いまタッツンがやっているのは歩鳥流のやり方、タッツンには不向きなやり方なのだから。
▶後半のタッツン
・STEP7:亀田先生とのトラブルをきっかけに、タッツンはようやく気がついた「私、無意識の内に嵐山さんのマネをしていたんだわ!」「でも、それではダメ!私は私の戦い方をしなければ!」。
・STEP8:かくして、タッツンは亀田先生とのトラブルを無事乗り越える。さらに、逆転の発想(試写会のチケットで歩鳥を追い出す!)でもって、見事<真田と2人の時間をすごす>という目標を達成したのだった。
<2>
つまりこれ、
・1:タッツンは、自分にはないものを持っている歩鳥を羨ましく思っていた
・2:タッツンは無意識の内に<歩鳥っぽい言動>を取ってしまう。そしてその結果、失敗を繰り返す
・3:タッツンはひょんなことからそれに気づき、「他人は他人、自分は自分!私は私の戦い方をする!」と決意。かくしてタッツンらしいやり方で勝利したのだった
……というエピソードなのである。
【ポイント②】タッツンと森秋先生の違い
上述の通り、本話は【タッツンが自分らしい戦い方をして勝利するエピソード】である。
ところで……私たちは、これとは真逆の物語を知っている。そう!本話の1つ前のエピソード、第4話後半「呪のルーレット」である。
「呪のルーレット」では、森秋先生は自分が<歩鳥っぽい行動>を取っていることに最後まで気づかず、そのまま歩鳥に敗北してしまう。本話のタッツンとは真逆の存在と言えるだろう。
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