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「A(=真実)かB(=絶対にあり得ないこと)のどちらかだ」とわざわざ選択肢・候補を並べることで、「Aが正しい/Aしかない」と強調する ~ドラマ「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」(シーズン1)の場合

ペニー「ハワードとクリストファーが……何て言うか……私の寝室でエッチしてる!」
レナード「(仰天して)本当に!?」

ペニー「私は農場育ちよ!あれは2人が交尾する音か、さもなければハワードが搾乳機でクリストファーの乳を搾っている音よ」

ドラマ「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」(シーズン1の第7話)




◆概要

【「A(=真実)かB(=絶対にあり得ないこと)のどちらかだ」とわざわざ選択肢・候補を並べることで、「Aが正しい/Aしかない」と強調する】は「魅力的なセリフ、会話」を作るためのアイデア。


◆事例研究

◇事例:ドラマ「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」(シーズン1の第7話)

▶1

本作の主人公は、レナード(20代後半の男性)。

彼は、隣人のペニー(20代前半の女性)と親しく付き合っている


ある日、

・Step1:ペニーがレナード宅に飛び込んできた。彼女はひどく動揺した様子で「聞いて!問題発生よ!」

・Step2:レナードが訊く「どうしたの?」。

・Step3:ペニーが答える「それが……ハワードとクリストファーが……何て言うか……私の寝室でエッチしてる!」

・Step4:ハワードとクリストファーはどちらもペニーの友人である。つまり、「友人2人が私の寝室でエッチしている!」「もちろん許可なんて出していないわよ!」という次第。


これにはレナードも仰天する。

・Step5:彼は叫んだ「本当に!?」。

・Step6:するとペニーは「私は農場育ちよ!あれは2人が交尾する音か、さもなければハワードが搾乳機でクリストファーの乳を搾っている音よ」

※補足:上述の通り、ペニーは「私は農場育ちよ!」と言う。これは「私は農場育ち。動物が交尾している音も、搾乳機で動物の乳を搾る音もたくさん聞いてきた。だから寝室から聞こえてくる音がそのいずれかだと断言できる」という意味である。


▶2

ご注目いただきたいのは、「あれは2人が交尾する音か、さもなければハワードが搾乳機でクリストファーの乳を搾っている音よ」というペニーのセリフである。

ここでペニーが言いたいのは「間違いない!あの2人はエッチしている!」ということだが――しかし、ストレートにそう言ってしまっては何の芸もない。

そこで【「A(=真実)かB(=絶対にあり得ないこと)のどちらかだ」とわざわざ選択肢・候補を並べることで、「Aが正しい/Aしかない」と強調する】という技法の出番だ。


「間違いないわ!あの2人はエッチしている!(= あれは2人が交尾する音よ)」の後ろに「さもなければハワードが搾乳機でクリストファーの乳を搾っている音よ」という絶対にありえないことを付け足したことで、「絶対にエッチしているわ!」というニュアンスが強調され、かつ、ウィットに富んだやりとりになったといえるだろう。


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