主人公がなかなか死にませーん!!|『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』(5)
本記事は、「デスマーチからはじまる異世界狂想曲」を徹底分析する特集の……第5回である★
第4回:「転生後、主人公の独白が延々と続き、単調になってしまう問題」の「桃尻娘」的解決について
第5回(本記事):主人公がなかなか死にませーん!!
第1回からご覧になることをオススメします★
開始★
三葉「前回に引き続き、『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』(以下、『デスマ』)を視聴・分析する中で思い浮かんだアイデアについて、ディスカッションしましょう!」
嘉村「承知しました」
三葉「さて……ここまで繰り返し申し上げてきた通り、本作は『異世界転生・転移もの』です」
嘉村「はい」
三葉「で、『異世界転生・転移もの』といえば、主人公が異世界に移動し、そこから物語が始まるのが王道ですが……本作の場合、主人公のサトゥーがなかなか異世界に行かないんですよね」
嘉村「ふむ」
三葉「例えば『異世界はスマートフォンとともに。』なんて、初っ端から主人公は死んでいる。そしてすぐに異世界へ移動して、大冒険が始まる」
三葉「メチャクチャスピーディ!」
嘉村「確かに」
三葉「それに対して本作は……」
嘉村「主人公が電車に乗り、休日出勤するところから始まるんでしたよね」
三葉「そうそう!まぁそれ自体はどうということのないオープニングなんですが、『異世界はスマートフォンとともに。』のようなテンポに慣れていると……画面に電車が映った瞬間、『ふむ!轢死パターンか!!』と考えてしまうんですよ!」
嘉村「あー……」
三葉「しかし、サトゥーは無事電車に乗り込む。それを見て、『アレ?ここでは死なない?もう少し現世パートが続くのかな?……まぁ、まだ始まって1分も経っていないもんね』と感じる」
嘉村「なるほど……主人公が即死しないことに違和感を覚えるわけですね」
三葉「そうなんですよ」
嘉村「『異世界転生・転移もの』に慣れ親しんでいるがゆえの弊害というか……」
三葉「ええ」
嘉村「ふむ……その後、サトゥーは無事会社に到着しますよね」
三葉「会社に着いてすぐ、エレベーターに乗るシーンがあるんですが……」
嘉村「はい」
三葉「今度は、『ハイハイ、読めました!エレベーターで事故死パターンか!ペチャンコになるヤツね!!』と考えてしまう」
嘉村「いや、そんな……『Another』じゃないんですから……」
※アニメ『Another』:気さくなお姉さんキャラが、エレベーターの事故で悲惨な死を遂げるシーンがよく知られている。
三葉「以下同様に……サトゥーが昼食を買いに外出すれば、『なるほど、そっちね!トラックに轢かれるパターンだ!!』と考えるし、迷子の少女と遭遇すれば、『おっ!もしかして誘拐犯と勘違いされて、警察官に射殺されるとか?』なんて推理してしまう……」
嘉村「ふーむ」
三葉「っていう人、結構いると思うんですよ!」
嘉村「んー……結局サトゥーは、いつ異世界に行くんでしたっけ?」
三葉「アニメ開始から9分後ですね」
嘉村「9分かぁ……」
三葉「9分ですからね。まだまだ物語は始まったばかり。『一体いつ異世界に行くんだ!?』『コイツ、随分長生きするなぁ』なんて首をかしげる時間ではないのですが……」
嘉村「昨今の『異世界転生・転移もの』に慣れていると、違和感を抱くわけですね」
三葉「まさに!」
嘉村「ふーむ」
それならば……!
三葉「でね」
嘉村「ええ」
三葉「これを逆手にとって、主人公がなかなか死なない作品ってどうかなぁと思いまして」
嘉村「ほぉ!」
三葉「暴走トラックが突っ込んでくる……が死なない!建設現場の傍を通りかかると、鉄骨が降ってくる……がやっぱり死なない!雷が落ちてくる……それでも死なない!!」
嘉村「ふむふむ」
三葉「その内、かわいいヒロインが登場して、なんだかよい雰囲気になっちゃったりしてね。『あれ?コレって<異世界転生・転移もの>だよね……?』と視聴者は訝しむ」
嘉村「なるほど」
三葉「とはいえ、現世パートをあまり長々続けていると、視聴者がしびれを切らし、見限られてしまう危険がある。したがって、ほどほどのところで異世界へ移動しなければならないわけですが……」
嘉村「ええ」
三葉「『なにやら、これまでの<異世界転生・転移もの>とは一味違いそうだぞ……!』と期待を集めることはできるのではないかと思うんですよね」
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(担当:三葉)
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