逃げろ!そのクソみたいな夫(と義父)から!!|『愛がこわれるとき』(3)
テーマ発表!!
第1回、第2回に引き続き、映画「愛がこわれるとき」をベースに新しい物語を妄想します。
※「愛がこわれるとき」のストーリーなどについては、第1回の記事をご参照ください。
妄想開始!
嘉村 「愛がこわれるとき」は、「潔癖症で、異常に強い独占欲を持ち、しかも暴力を振るう夫」から逃げる妻を描いたサスペンス作品ですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……前回に引き続き、一体どんな物語にするといいかディスカッションしてまいりましょう!
三葉 承知しました。
嘉村 前回ご紹介したのは、「『愛がこわれるとき』 ~『妻のボディを徹底的に管理・矯正する夫』編~」、「『愛がこわれるとき』 ~『妻を教育する夫』編~」の2案でした。
案③
嘉村 「案③」にまいりましょう!
三葉 「案③」は、「『愛がこわれるとき』 ~『夫+義父が異常』編~」です。
嘉村 義父!
三葉 さて詳細をご説明する前に、ここで「愛がこわれるとき」風の物語を作る時に注意すべきポイントを振り返っておきましょう。
三葉 ……となります(より詳しくは第1回の記事で)。
嘉村 ふむふむ。
三葉 それからもう1つ。前回もご覧いただきましたが……「愛がこわれるとき」は、以下のように整理することができるでしょう。
三葉 つまり、「夫が妻に害(潔癖症、独占欲、DV)をなし、妻が逃げ出す物語」。
嘉村 ふむ。
三葉 ただね。
嘉村 ええ。
三葉 加害者が1人とは限らない。「2人いたっていいじゃないか!」と思うのです。ということで、こちら!!
嘉村 なるほど。夫以外にもう1人加害者がいるわけですね。
三葉 ええ。なお、こうした「加害者 = 夫+もう1人」タイプの物語には有名な前例があります。すなわち……「ずっとあなたが好きだった」!
嘉村 あー、冬彦さん!
三葉 ええ、いわゆる「冬彦さん現象」を巻き起こした作品です。あれは、「結婚してみたら夫がマザコンだった!さらに、その母(= 義母)もとんでもない人で……『主人公 = 妻』がひどい目に遭う話」。つまり、「『加害者 = 夫+義母』の物語」なんですよね。
嘉村 ふむふむ。
三葉 さて!前置きが長くなりましたが「案③」に戻りまして……「『愛がこわれるとき』 ~『夫+義父が異常』編~」!これは、夫とその父、つまり義父が加害者になるアイデアです。「加害者 = 夫+義母」と比べると、「加害者 = 夫+義父」パターンは珍しく、ユニークかなと思いまして。
嘉村 確かにあまり聞かないかも。
三葉 なおここでは、義母(夫の母)はすでに亡くなっていることにして……「ずっとあなたが好きだった」には、「味噌汁はひどかったね。味噌を替えて。母に聞くといい」という有名なセリフがあります。これは、妻(主人公)の作った味噌汁を飲んだ夫(冬彦さん)のセリフで、彼のマザコンっぷりがよく伝わってくる名ゼリフですが……。
嘉村 ええ。
三葉 これになぞらえて……義父が言うんですよ「今朝の味噌汁はひどかったね。味噌を替えなさい。女房の使っていたノートに書いてあるはずだ。仏壇の引き出しに入っているから参考にするといい」なんて。
嘉村 ほぉ……。
三葉 あるいは、「部屋の隅にホコリが落ちていたよ。『四角な座敷を丸く掃く』とはこのことだね。息子は喘息気味なんだから、もう少し気を使ってもらわないと困るな。私の女房はね、そりゃきれいに掃除したもんだよ」とか。
嘉村 うわぁ……いちいち亡き妻を引き合いに出すわけですね。
三葉 そうそう。
嘉村 面倒くさ……。
三葉 何よりも、相手は故人ですからね。当然美化されている。主人公がどれだけ努力しても勝ち目はありませんよ。
嘉村 ふむ……。旦那は何をしているんです?本当なら、旦那が間に入って奥さんを守らなきゃいけないでしょ。
三葉 「結婚するまでは優しい人だと思っていた。控えめで、いつも私を大切にしてくれて。でも実際は……ただ主体性がないだけだった!お義父さんの言いなりかよ!お前の意見はないのかよ!」ってタイプでしょうね。
嘉村 なるほど……。
三葉 それでは、以上のストーリーを「愛がこわれるとき」と比較する形で整理してみましょう。
案④
嘉村 続いて、「案④」にまいりましょう。
三葉 はい。「案④」は、「『愛がこわれるとき』 ~『夫+義弟が異常』編~」です。
嘉村 今度は義弟!
三葉 ええ。まずは、「愛がこわれるとき」との対比表をご覧ください。
嘉村 義弟はニートなんですね。
三葉 ええ。ストーリーはこんな具合です。……主人公は若い女性。彼女は素敵な男性と結婚する。夫は高収入で、広いマンションを購入。じつに幸福な新婚生活でした……が!結婚して1年ほど経った頃、夫の両親が他界。それまで両親と同居していたニートの義弟を引き取ることになります。
嘉村 ふむふむ。
三葉 主人公は、できれば断りたかった。
嘉村 まぁ、新婚ですしねぇ……。
三葉 ええ。しかし、まさか義弟をホームレスにするわけにはいかない。かくして同居することになり……主人公は酷い目に遭う!
嘉村 ほぉ。
三葉 義弟は基本的に1日中部屋にこもっているのですが……部屋から「ドスドス!ドスドス!」と物を殴るような音や、「ぶっ殺してやる!死ね死ね死ね!」という叫び声が聞こえてくる。
嘉村 それは怖い……。
三葉 主人公は怯えるが、夫は「ゲームに熱中しているんだと思うよ。昔からそうなんだよ」と笑うだけ。
嘉村 いや、笑っている場合ではないでしょう……。
三葉 そして、異臭も漂ってくる。
嘉村 うーむ……。
三葉 さらに、主人公が外出するのを見計らって部屋から飛び出してきて、冷蔵庫や戸棚を漁るので、しょっちゅう食べ物や飲み物がなくなる。その上、主人公のブラやパンティまで盗まれる。
嘉村 それはさすがに……夫は何をしているんです?
三葉 主人公は、たびたび夫に相談します。「何とかしてほしい」「いい加減、自立してもらえないだろうか?」。しかし、夫は真剣に取り合ってくれません。
嘉村 ふーむ……。
三葉 いよいよ主人公の我慢も限界に達し、「実家に戻りたい」と申し出る。すると……夫が豹変!「あいつは、きみの弟でもあるんだぞ!無責任すぎる!ちゃんとサポートしてやってくれ!実家に戻るなんて絶対に許さないからな!!」でビンタ。
嘉村 ええっ!ヤバすぎるでしょ、その人……。
三葉 かくして主人公は、夫と義弟から逃げ出すことを決意して……というのが「案④」の物語です。
嘉村 なるほど……。
三葉 以上、「『愛がこわれるとき』風物語(加害者が2人ver.)」のアイデアでした!
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「愛がこわれるとき」の研究はこれで終了です。ありがとうございました。
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(担当:三葉)
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