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やっとわかったぜ!オレのボケにはお前のツッコミが必要だってな!!|『恋人たちの予感』(3)

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テーマ発表!!


 第1回第2回に引き続き、映画「恋人たちの予感」をベースに新しい物語を妄想します。

※「恋人たちの予感」のストーリーなどについては、第1回の記事をご参照ください。


妄想開始!


嘉村 「恋人たちの予感」は、とある男女の「出会い(第一印象は最悪!)」から、「友だち期間」を経てお互いが運命の相手だと気づくまでの12年間を描いた恋愛物語ですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……前回に引き続き、一体どんな物語にするといいかディスカッションしてまいりましょう!

三葉 承知しました。

嘉村 前回ご紹介したのは、「『恋人たちの予感』 ~『超長期』編~」、「『恋人たちの予感』 ~『既婚者』編~」の2案でした。


案③


嘉村 それでは「案③」にまいりましょう!

三葉 はい。「案③」は、「『恋人たちの予感』 ~『ビジネス』編~」です。


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嘉村 ビジネス!

三葉 詳細をご説明する前に、ここで「恋人たちの予感」風の物語を作る時に注意すべきポイントを振り返っておきましょう。


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三葉 ……ですね(より詳しくは第1回の記事で)。

嘉村 ふむふむ。

三葉 このように「恋人たちの予感」は、【「1回目の出会い:嫌なヤツ!」→(5年間の空白期間)→「2回目の出会い:やっぱり嫌なヤツ!」→(5年間の空白期間)→「3回目の出会い:あれ。案外悪くないかも。友だちになろう!」→(2年間の友だち期間)→「ようやく気づいた!きみを愛している!」】という12年間を描いたラブストーリーですが……。

嘉村 ええ。

三葉 舞台を「ビジネスの世界」に移しても、このストーリー構造は使えると思うんですよね。

嘉村 ほぉ……。

三葉 例えば、こんな具合です。


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嘉村 なるほど!「恋人」ではなくて、「仕事仲間」の物語!

三葉 ええ。「3回目の出会い」の後、2人は仕事仲間として絆を深め、やがて協力して大きなプロジェクトに挑戦することになる……という物語です。

嘉村 ふむ。

三葉 同様に、「最初は先輩・後輩として出会い、お互いに悪印象を持った2人が、5年後にフリーランスと発注者として再会。やっぱり悪印象。そしてまた5年経ち、偶然にもとあるベンチャー企業の同僚となる。そして絆を深めていく」……なんてのもいいですよね。

嘉村 ふむふむ。

三葉 「終身雇用・年功序列・新卒一括採用」というシステムが崩壊し、「転職・フリーランス・起業」が身近になりつつある昨今ですからね。「ビジネス版『恋人たちの予感』」はなかなかどうして現代的で、多くの人の共感を集め得る物語になるのではないかと思うのです!


案④


嘉村 続いて、「案④」にまいりましょう。

三葉 はい。「案④」は「『恋人たちの予感』 ~『漫才』編~」です。


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嘉村 漫才!

三葉 これは「案③」の応用です。ストーリーをざっくりご紹介すると……主人公はAくんとBくん。彼らは漫才師志望の高校生で、それぞれコンビを組んでいる。Aくんはボケ、Bくんはツッコミ担当です。

嘉村 ふむ。

三葉 彼らは文化祭で漫才を披露し、両コンビともに高評価を得るが……2人は、「何だよ、あのツッコミ。最近人気の○○のパクりじゃねぇか!」「聞き捨てならねぇな!テメェこそ、□□のパクりだろ!」と口論になる。

嘉村 なるほど。それが「1回目の出会い」ですね。

三葉 ええ。その後、2人はそれぞれ腕を磨き……5年後、小劇場で再会。2人とも相方は変わっている。

嘉村 ふむふむ。

三葉 そしてここでも、「ふん。5年ぶりだってのに成長してねぇな」「おうおう。そういうお前は退化したんじゃねぇか?何だよ、あの昭和のノリは!」と悪口合戦になる。

嘉村 なるほど。

三葉 で、3回目……舞台は、Aくんがバイトをするラーメン屋です。

嘉村 ラーメン屋?

三葉 ええ。そして、Aくんは憔悴している。数日前にコンビを解消したばかりなのです。

嘉村 ほぉ……。

三葉 相方曰く、「オレはもう疲れた。結局オレたちには才能がなかったんだよ。……もう31歳だ。バイト先で社員にならないかと誘われている。お前には悪いが、オレはそろそろ現実を見て生きることにしたよ」。

嘉村 ふーむ……。

三葉 Aくんは絶望している。オレは一体どうすればいいのだろうか。と、その時。いまにも自殺しそうな真っ青な顔をしたお客が店に入ってくる。Aくんは勝手に親近感を抱く「お客さん、あんたも辛いことがあったんだね……って、こいつは!」。そう。それはBくんだったのです。

嘉村 ふむふむ。

三葉 Aくんは何の気なしにBくんに声をかけ、その日の夜、2人は居酒屋で落ち合う。そして、初めてまともに言葉を交わす。聞けば、Bくんもコンビを解消したばかりだと言う。彼は嘆く「オレはどうすればいいんだ……」。2人はしばらく話す内に相手を見直す「こいつ……思ったより悪いヤツじゃねぇな。いや、それどころか……笑いに本気だ!気に入った!」。かくして2人は友だちになり、励まし合ったり、互いの相方探しを手伝ったりしますが、やがて……「初めてお前のツッコミを見てから12年。ようやくわかったぜ!オレに必要なのはお前のツッコミだ。オレの運命の相手はお前だったんだ!なぁ、オレとコンビを組んでくれ!!」。これが「案④」です。

嘉村 なるほど。

三葉 以上、「『恋人たちの予感』風物語(ラブストーリー以外ver.)」のアイデアをご紹介しました。ご覧の通り、「恋人たちの予感」のストーリー構造はラブストーリー以外にも応用可能です。みなさんも、ぜひお試しください!


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 「恋人たちの予感」の研究はこれで終了です。ありがとうございました。

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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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