「『いつ』ではなくて『どこ』が重要だ」というふうに、5W1Hを意識する ~映画「ザ・コンサルタント」の場合
◆概要
【「『いつ』ではなくて『どこ』が重要だ」というふうに、5W1Hを意識する】は「魅力的なセリフ、会話」を作るためのアイデア。
◆事例研究
◇事例:映画「ザ・コンサルタント」
▶1
本作の主要キャラの1人・キング局長(60代の男性)。
彼は財務省の職員だ。金融犯罪を取り締まる部署で素晴らしい成果を上げ、いまは責任者を務めている。
いろいろあってある日のこと。
・Step1:キング局長は、部下のメディナに秘密を打ち明けた。
・Step2:じつは彼は、ウルフ(裏世界の有名な金融犯罪者)とつながりを持っていた。といっても連絡は一方的なもので、ウルフから不定期に電話がかかってくるのだ。そして金融犯罪に関する情報を教えてくれる。キング局長はその情報をもとに捜査を進め、これまで多くの犯罪者を逮捕してきた。
・Step3:ええっ!?メディナは驚く。
・Step4:キング局長は続けた「いつ電話がかかってくるかはわからない。しかし、なぜかかってくるのかはわかる(I've given up trying to figure out when I'll get a call. The "why" though, that I've got.)。誰かがウルフを怒らせたんだ」。――そう、裏世界にもルールやマナーがある。誰かがそれを破ってウルフを怒らせた時、ウルフはキング局長に連絡を入れ、その汚い野郎を逮捕させているというわけだ。
▶2
ご注目いただきたいのは、「いつ電話がかかってくるかはわからない。しかし、なぜかかってくるのかはわかる(I've given up trying to figure out when I'll get a call. The "why" though, that I've got.)。誰かがウルフを怒らせたんだ」というキング局長のセリフである。
要するに「誰かがウルフを怒らせると、ウルフは私に電話をかけてきてそいつを逮捕させるんだ」という意味だが――ストレートにそう言ってしまっては面白くない。
そこで【「『いつ』ではなくて『どこ』が重要だ」というふうに、5W1Hを意識する】という技法の出番だ。
改めてキング局長のセリフをご覧いただきたい。
「いつ電話がかかってくるかはわからない。しかし、なぜかかってくるのかはわかる(I've given up trying to figure out when I'll get a call. The "why" though, that I've got.)。誰かがウルフを怒らせたんだ」。
「いつ(when)」と「なぜ(why)」を対比する形にしたことで、リズム感のあるおしゃれなセリフになったといえるだろう。
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