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「食いしん坊のキャラAが、食べ終わった菓子の袋をBに渡して『捨てておいて』→Aが食べかけの菓子をBに渡して『残りはあげる』」という変化を通じて、AがBに好意を感じるようになったことを暗示する ~アニメ「僕の心のヤバイやつ」の場合
第1話の山田「(食べ終わった菓子の袋を渡して)これ」
↓
第2話の山田「(食べかけの菓子を渡して)それ、あげる!」
◆概要
【「食いしん坊のキャラAが、食べ終わった菓子の袋をBに渡して『捨てておいて』→Aが食べかけの菓子をBに渡して『残りはあげる』」という変化を通じて、AがBに好意を感じるようになったことを暗示する】は「キャラの感情などを暗示する」ためのアイデア。
◆事例研究
◇事例:アニメ「僕の心のヤバイやつ」(第1-2話)
▶1
本作の主要キャラの1人・山田(中2女子)。
彼女は、大の食いしん坊である。昼休みに図書室でこっそり菓子をつまむのが習慣になっている(給食を食べ終わったばかりだというのに!)。
第1話序盤、
・Step1:図書室でポテトチップスを食べる山田。
・Step2:やがて、午後の授業の予鈴が鳴った。山田はその場に居合わせた京太郎(クラスメイトの男子)にポテトチップスの袋を差し出した「これ」。
・Step3:しかし山田はすぐに気づいた。あっ、袋の中にまだポテトチップスが残っていた!彼女はざざっとそれを口の中に流し込むと、改めて袋を差し出した「ん!」。そこにあるゴミ箱に捨てておいてというわけだ。
その後いろいろあって、第2話序盤。
・Step4:今度は「ねるねるねるね」を食べる山田。
・Step5:しばらくして山田は、傍に京太郎がいることに気がついた。
・Step6:山田は「これ」と言ってねるねるねるねの容器を差し出した。京太郎は憮然とする「またゴミかよ!」。
・Step7:ところが山田は微笑んだ「それ、あげる!」。見ると、容器の中にはほんの少しだがねるねるねるねが残っていた。
▶2
ご注目いただきたいのは、Step2-3と6-7の相違である。
・Step2-3では:山田が市川に、食べ終わった菓子の袋を渡す。
・Step6-7では:山田が市川に、食べかけの菓子を渡す。
「菓子を渡す」といってもそれは新品ではない。食べかけだ。しかも、「よく見るとほんのちょこっとだけ残っている」程度の食べカスに近いものである。とはいえ……そう、「食べ終わった菓子の袋」と「食べかけの菓子」はまったく別物だ。
何しろ山田は食い意地が張っている。その山田が好物の菓子を分け与えるようになったというのだから、これは大きな変化である。
第1-2話の間のいくつかの出来事を通じて、山田が京太郎に好意を抱くようになったこと、京太郎を単なる「クラスメイト」ではなく「好物を分け与えるに足る友人」と認めるようになったことが伝わってくる。
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