相手を「動物扱いする」「動物に喩える」ことで、侮辱したり挑発したりする(犬ver.) ~アニメ「終末トレインどこへいく?」の場合
◆概要
【相手を「動物扱いする」「動物に喩える」ことで、侮辱したり挑発したりする(犬ver.)】は「魅力的なセリフ、会話」を作るためのアイデア。
◆事例研究
◇事例:アニメ「終末トレインどこへいく?」(第8話)
▶1
本作の舞台は、人類の文明が崩壊しかけている世界。
静留と友人たち(いずれも女子中高生)は、そんな世界を旅している。
いろいろあってある日、
・Step1:とある男と戦うことになった静留たち。
・Step2:男は自らを「渾沌(こんとん)」と称し、また、自らが取り仕切る国を「カオス」と命名していた。
・Step3:その名前からして、おそろしくメチャクチャで、予測不可能な攻撃を仕掛けてくるに違いない。これは手ごわい相手だぞ……。静留たちは警戒する。
ところが戦う内に、
・Step4:男は意外にも渾沌としていない、というか一定のルールに沿って規則正しく動いているのだと判明。
・Step5:かくして静留の仲間たちは囃し立てた。例えば晶は「おーい、わかってるよ、渾沌。『カオス』『カオス』って言ってるけど大してカオスってない!」。
・Step6:さらに静留も「なぁんだ、カオスに憧れてるただの飼い犬か!」。
▶2
ご注目いただきたいのは、「なぁんだ、カオスに憧れてるただの飼い犬か!」という静留のセリフである。
要するに「けっ!『渾沌』だの『カオス』だのと言っているくせに、ルールに従って動いているだけかよ!」と侮辱・挑発しているわけだが――ストレートにそう言ってしまっては面白くない。
そこで【相手を「動物扱いする」「動物に喩える」ことで、侮辱したり挑発したりする(犬ver.)】という技法の出番だ。「けっ!『渾沌』だの『カオス』だのと言っているくせに、ルールに従って動いているだけかよ!」を「なぁんだ、カオスに憧れてるただの飼い犬か!」に置き換えたことで、迫力のあるセリフになったといえるだろう。
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