その存在感の薄さ、妖精級!!|【第八話(1) 私は宿命的に日陰者である】「さよなら絶望先生」を三幕構成で分析する
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分析対象
三幕構成
ポイント①
<1>
本話は、「存在感と毛髪が薄い少年 = 臼井影郎」を中心に据えたエピソードです。
なお、「さよなら絶望先生」シリーズの主要キャラは女子生徒ばかり。そんな中にあって、最も出番の多い男子生徒がこの臼井影郎です。
<2>
「絶望先生」シリーズでは、望が「絶望した!○○に絶望した!」と嘆くのがお約束になっています。
本話では、望は「凄いことをしても、傍に目立つ人物がいると陰に隠れてしまう社会」に絶望しています。
ポイント②
<1>
本話のストーリーをざっくりまとめると……
・第1幕:臼井影郎の「特徴(存在感の薄さ)」が紹介される。なおこれ以降、臼井影郎はずっと望らの傍にいるものの、その存在感の薄さゆえ、誰にも気づいてもらえない
・第2幕前半:望が嘆く「凄いことをしても、傍に目立つ人物がいると陰に隠れてしまうものです」
・第2幕後半:望が善行を為すものの、可符香の陰に隠れてしまう → 望は嘆息 → 対する可符香は「日陰者・影」の重要性を説く
・第3幕:望らが、ようやく臼井影郎の存在に気づく。しかし望らは、臼井影郎が誰だかわからない(つまり彼はあまりに影が薄いため、そもそもその存在すら認知されていなかったのだ)
<2>
なお本話のオチは、「こんなに影の薄い人間がいるわけありません。彼は妖精さんですよ!」という可符香のセリフ。
「可符香の超ポジティブ発言で幕を閉じる」という珍しいパターンです。
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(担当:三葉)