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アニメ「それでも町は廻っている」第5話後半を3つの視点から分析する☕
引き続き、アニメ「それでも町は廻っている」を分析します。本記事で取り上げるのは第5話後半「実に微妙なカード」。これ以前のエピソードを分析した記事については、最下の「関連記事」欄をご参照ください!
分析対象
あらすじ
【ポイント①】恵梨は<児童期限定型ツンデレ>である
<1>
本話の見どころは、何と言っても【恵梨のかわいらしさ】だろう。
・1:恵梨の言動は高圧的で、さらに暴力的である(アイスを買うよう命じたり、いきなり殴ったり)
・2:しかし、その言動の端々からタケルのことが大好きなのが伝わってくる(突然タケルの家に遊びにきたり、下の名前で呼び合おうと要求したり)
つまりは表面的にはツンツン、しかしながら本心はデレデレ……そう、ツンデレだ!
恵梨役の声優・加藤英美里さんの名演技もあって、恵梨はじつに魅力的なツンデレキャラになっている。
<2>
ところで。ツンデレと聞くと【顔を赤くしてそっぽを向き、「ハァ?あっ、あんたのためにやったんじゃないし!ごっ、誤解しないでよね!」と叫ぶキャラ】を思い浮かべる方も多いと思う。
しかし恵梨は……
・たったワンシーン(最後の学校のシーン)を除いて、顔を赤くしたりそっぽを向いたりはしない
・「ハァ?」なんて言わない
・どもったり、挙動不審になったりしない
・叫ばない
つまり、ごく一般的なツンデレキャラとはその立ち振る舞いがちょっと違うのである。
<3>
この違い、私は<ツンツンする理由の相違>に起因していると思う。
そもそも、一般的なツンデレキャラは<照れくさい、恥ずかしい>といった感情に基づいて顔を赤くしたり、挙動不審になったりするものだ。
だが、恵梨は違う。彼女がツンツンするのは、<照れくさい、恥ずかしい>のもっと前、①そもそも自分の感情が恋愛感情だと正確には理解できておらず、それゆえに②自分の感情とどう向き合ったらいいのかわかっていないからだろう。
何しろ、恵梨はまだ小4なのだ!
<4>
例えば、【恵梨がタケルに、アイスを買うよう命じたシーン】について考えてみよう。
この時、恵梨はどのような気持ちだったのか?
おそらくは、<大好きな人に甘えたい>とか、<大好きな人にプレゼントしてほしい>とか、<大好きな人の選んだものがほしい>とか、まぁそんなところだろう。
したがって、もしも恵梨が大人の女性なら「タケルくんの選んだものがほしいな♥」なんて甘えたに違いない。
あるいは、もしも恵梨が思春期真っ只中なら「チョッ、チョコメロン味!?へっ、へぇ……やっぱあんたってセンスないわねぇ!でっ、でもせっかくだから食べてあげるわよ!ほら、寄越しなさい!」なんて赤面しながら叫んだはずだ。
しかし恵梨はまだ幼い。
自分の感情が<大好きな人に甘えたい/大好きな人にプレゼントしてほしい/大好きな人の選んだものがほしい>といったものだと理解できていない。だから、自分の感情とどう向き合ったらいいのかわからない。ゆえに彼女は「私、食べたい!買って!」と高圧的に迫ることしかできないのだと思う。
<5>
要するに……恵梨はツンデレキャラである。しかし、単なるツンデレではない。
小4という思春期が始まったばかりのこの時期だからこそのツンデレ、言わば<児童期限定型ツンデレ>なのである。
【ポイント②】本当にかわいいのは誰か?
<1>
上述の通り、本話の見どころは【恵梨のかわいらしさ】である。しかし同時に、【タケルのかわいらしさ】も見逃せない。
すなわち……
・STEP1:タケルは、恵梨と比べて明らかに精神年齢が低い(まぁ、この時期の男子は総じてガキですからね)
・STEP2:ゆえに、恵梨がタケルに対して特別な好意を抱いているとなかなか気づかない
・STEP3:かくして、タケルは恵梨の言動を理解できない。なぜ彼女が突然遊びにきたのか、なぜ下の名前で呼び合おうと要求するのか、チンプンカンプンである
・STEP4:したがって恵梨の一挙手一投足に、いちいち困惑したり動揺したりする
この困惑や動揺が、いかにも<小学生男子>っぽくてかわいいのである♥
<2>
なお、ここで思い出していただきたいのが「からかい上手の高木さん」だ。
同作に対しては、「高木さんがかわいい♥」「いや、真のヒロインは西片である!高木さんに翻弄される西片のかわいさたるや♥」といった議論があるが……これ、まるっきり本話にも当てはまることだと思う。
【ポイント③】さすがは歩鳥!
既に思春期が始まっていると思しき恵梨!
恵梨と関わる中で異性について意識し始めたタケル!
それに対して、我らが歩鳥はどうか?
彼女は……異性について悩むタケルの隣で、気遣いゼロでばか笑いしている!嗚呼、これではどちらが高校生で、どちらが小学生かわからぬではないか!
……この乙女らしからぬオバサンくささこそがいかにも歩鳥である。
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最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。
(担当:三葉)
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