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コスプレイヤーも兄妹も……みんな禁断の愛に悩んでいる!!|『ブロークバック・マウンテン』(3)

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テーマ発表!!


 第1回第2回に引き続き、映画「ブロークバック・マウンテン」をベースに新しい物語を妄想します。

※「ブロークバック・マウンテン」のストーリーなどについては、第1回の記事をご参照ください。


妄想開始!


嘉村 「ブロークバック・マウンテン」は、「ゲイ = 悪」の時代・場所を舞台に、相思相愛ながらどうしても幸せになれないゲイカップルを描いたラブストーリーですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……前回に引き続き、一体どんな物語にするといいかディスカッションしてまいりましょう!

三葉 承知しました。

嘉村 前回ご紹介したのは、「『ブロークバック・マウンテン』 ~『高校野球』編~」、「『ブロークバック・マウンテン』 ~『みんなで高校野球』編~」の2案でした。


案③


嘉村 「案③」にまいりましょう!

三葉 「案③」は、「『ブロークバック・マウンテン』 ~『コスプレ』編~」です。


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嘉村 コスプレ!

三葉 詳細をご説明する前に、「ブロークバック・マウンテン」風の物語を作る時に注意すべきポイントを振り返っておきましょう。


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三葉 ……となります(より詳しくは第1回の記事で)。

嘉村 ふむふむ。

三葉 以上を踏まえて「案③」ですが……まずは、「ブロークバック・マウンテン」との比較表をご覧ください。


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三葉 ストーリーをざっくりご紹介しましょう。……主人公はJK。趣味はマンガ、アニメ、そしてコスプレ。彼女はとあるコスプレイベントで、同年代の女性・Aさんと出会う。2人は趣味が似通っていて、「そのコス、もしかして○○ですか……」「えっ!ウソ!そういうあなたは□□!」「はい!」「うわぁ!こんなマイナー作品のレイヤーが私以外にもいるとは……超嬉しい!!」なんて具合に知り合ったのです。

嘉村 ふむ。

三葉 それ以来、彼女らは揃ってイベントに参加するようになり、友情を深めていく。そしてある日、2人は遠方で開催される大きなイベントに参加することにします。……北海道や九州・沖縄に住むJKが、東京のコミケに参加するようなイメージですね。必死にお金を貯め、保護者の許可を得て、いよいよ念願のイベント!そして初日が終わり、興奮冷めやらぬ中ホテルに戻った2人は……どちらともなくセックスに及ぶ。

嘉村 ほぉ……。

三葉 翌日もその翌日もイベントに参加し、ホテルに戻っては肌を合わせる。2人は夢のような時間を過ごしますが……帰りの深夜バスに乗った途端、急に現実に引き戻される。言葉数が少なくなる。Aさんがポツリとつぶやく「私、レズビアンじゃないよ」。主人公もうなずく「うん。私も違う」。

嘉村 なるほど。

三葉 その後、2人は疎遠になり、別々の人生を歩みます。主人公は高校を卒業し、フリーターになる。そして結婚、新婚生活。幸せな毎日……のはずなのですが、どうしたことか心が満たされない。なぜ?あのイベントを最後に、彼女はコスプレから離れていた。そのせいだろうか?あるいは……。

嘉村 ふーむ。

三葉 そんなある日、Aさんから手紙が届きます「もしよかったら、○○日のイベントに参加しない?」。主人公は喜び、10年ぶりにコスプレ衣装を用意して会場へ向かう。

嘉村 いよいよ再会ですね。

三葉 ええ。2人は再会し、その夜セックスをします。そしてそれ以来、2人は年に数回の頻度でコスプレイベントに参加し、そのたびに関係を持つようになる……が、2人の心が晴れることはありません。まず、主人公。彼女は、「レズビアンかもしれない自分」を受け入れられずに苦しみます。……自分はおかしいのではないだろうか?どこか変なのではないだろうか?誰にも言えない。私はどうしたらいいの……という具合ですね。

嘉村 ふむ。

三葉 一方のAさん。彼女はより積極的です。主人公ともっと一緒にいたい。いまの生活を捨てる覚悟もできてる。しかし主人公は、「そんなの無理よ。私には夫だっているし……」。Aさんはそんな主人公の反応に傷つく。

嘉村 ええ。

三葉 さて、そんな生活が10年ほど続き……ある日ふいにAさんが死ぬ。そして主人公はAさんの家を訪れ、驚く。壁一面に主人公の写真が飾られていたのです。Aさんはそんな部屋で生活していたのだ!

嘉村 猟奇犯罪者の部屋みたいですね。あるいは、「ゆるゆり」の赤座あかねの部屋……。


三葉 主人公は、ここに至ってようやく「自分はレズビアンで、Aさんを愛していた」という事実を受け入れられるようになります。そして主人公は、永遠にAさんを忘れないと誓い……物語は終わる。

嘉村 ふむふむ。

三葉 とまぁこんなストーリーなのですが……「案③」を実際に作品にする時には、2人の「コスプレ衣装」が小道具として活用できると思うんですよね。

嘉村 ほぉ……と言うと?

三葉 ええ。例えば……再会後、2人が密会を続ける中で、Aさんの衣装はどんどん露出が増していく。一方、主人公は減っていく。……これは、「2人の関係に対する積極度合いの違い」を表しています。つまり、「主人公を求める気持ちが日増しに強まっていくAさん」と、「罪悪感に押し潰されそうになる主人公」ですね。

嘉村 なるほど。


案④


嘉村 続いて、「案④」にまいりましょう。

三葉 はい。「案④」は、「『ブロークバック・マウンテン』 ~『兄と妹』編~」です。


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嘉村 兄と妹!

三葉 「ブロークバック・マウンテン」と比較すると、以下のようになります。


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三葉 「ブロークバック・マウンテン」と「案①②」は「ゲイ」、そして「案③」は「レズ」を中心に据えた物語でした。いずれも同性愛。しかし、同性愛以外にも様々な「禁断の愛」があり得ます。例えば……そう!近親愛!

嘉村 なるほど。

三葉 近親愛を比較的真っ正面から描いた作品としては、「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」がよく知られています。


嘉村 ふむふむ。

三葉 その「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」になぞらえてご説明すると……主人公の京介と、妹の桐乃が関係を持ってしまう。「このままではいけない」と、桐乃がアメリカに長期留学する。そして2人は疎遠になる。しかし数年後、桐乃がふいに日本にやってきて、2人の関係が復活。彼女は「アメリカに来て!知り合いが1人もいない土地で夫婦として生活するのよ!」と京介を誘う。しかし、彼の腰は重い。それ以降、2人は年に数回の頻度で関係を持ち続けるが……京介は「近親愛」というタブーを犯していることに悩み、一方の桐乃は「兄貴の堅物!クソ真面目!アホ!」となかなか会えぬ寂しさに苦しむ。

嘉村 ふむ。

三葉 そしてある日ふいに桐乃が死に、京介はようやく自分が桐乃を愛していたことに気づく。……という具合ですね。

嘉村 なるほど。

三葉 以上、「『ブロークバック・マウンテン』風物語」のアイデアをご紹介しました!


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 「ブロークバック・マウンテン」の研究はこれで終了です。ありがとうございました。

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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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