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「ノー」と言う代わりに、「お前は○○だと思っているのか?」と皮肉っぽく質問を投げかける ~映画「オットーという男」の場合

マルコム「(じつに言いづらそうに)今夜泊めてもらえないかと思って……」

オットー「(皮肉っぽく)うちはホテルか?」

映画「オットーという男」




◆概要

【「ノー」と言う代わりに、「お前は○○だと思っているのか?」と皮肉っぽく質問を投げかける】は「魅力的なセリフ、会話」を作るためのアイデア。


◆事例研究

◇事例:映画「オットーという男」

▶1

本作の主人公はオットー(60代男性)。

彼は最愛の妻を半年前に亡くし、それ以来すっかり口うるさい偏屈野郎になってしまった


いろいろあってある夜、

・Step1マルコムという青年がオットーの家を訪ねてきた。

・Step2:2人は面識こそあれど、特別親しいわけではない。というわけでオットーは訊いた「用件は?」

・Step3:マルコムはじつに言いづらそうに「今夜泊めてもらえないかと思って……」

・Step4:するとオットーは皮肉っぽく「うちはホテルか?」

・Step5:マルコムは気まずそうに微笑んだ「……いえ、ごめんなさい」。


しかしこの後、

・Step6:じつはマルコムは父に家を追い出されて行く場所がないと判明。結局オットーはマルコムを泊めてやることにする。


▶2

ご注目いただきたいのは、「うちはホテルか?」というオットーのセリフである。

要するに、マルコムの頼みに対して「ノー。急にそんなことを言われても困る」と答えたわけだが――ストレートにそう言ってしまっては何も面白くない。

そこで【「ノー」と言う代わりに、「お前は○○だと思っているのか?」と皮肉っぽく質問を投げかける】という技法の出番だ。


改めてオットーのセリフをご覧いただきたい。

「うちはホテルか?」。

「泊めてほしいって?ホテルじゃあるまいし、なんでお前を泊めてやらなきゃならんのだ?泊めるはずないだろ」という意味である。


「ノー。急にそんなことを言われても困る」を「うちはホテルか?」と言い換えたことで、いかにも偏屈野郎が言いそうな皮肉っぽくて面白いセリフになったといえるだろう。


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