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【育児】娘は寝る前に夜のコンサートを始めました
赤ちゃんは自分だけで眠ることはできない。
大人があやしたりして、寝かしつけることが必要だ。
生まれて間もないころは、ミルクを飲んだらコテンと寝てしまう……なんて日はほとんどなく、ミルクを飲んでも泣き止まずに抱っこして少し揺らしてあげてようやく寝てくれた日がほとんどで、何をしても寝ないのでとりあえず泣き続けているみたいなことも珍しくなかった。
そのうち歩けるようになったりすると、勝手に布団に行ってゴロンと寝転がって眠るようになったりして「昔は揺らさないと寝なかったのに…」と一抹の寂しさを感じつつも、娘の成長と寝かしつけが楽になったことにちょっとした喜びもあった。
ただ、このところ、寝かしつけの難易度が急激に上がっている。
娘の中に蓄えられていたエネルギーが爆発したのかわからないのだが、風呂に入った後の夜9時くらいから突然いろんなことをしゃべり始めるようになった。あまりにも異常にしゃべり続けていたのを見かねて妻が録音してくれたので、ちょっと文字起こしをしてみた。
あんぱんまん あーぱぴぃー ちゃんでやん たんてゃん あんぱんまん あーぱぴぃー ぱぴぃ
(沈黙)
あてゃー ぱぱ じょーあーおーぱーじょーぱーぽーぱーぱーぽ ぱーぽ ぱーぽ ぱーぽ ぱーぽぉい ぱーぼ ぱーぽ じじ たーとぅ あーぱ おーぱ ちーち たーぽ ていとぅん てぃとぃも えんじばんべ ん ぱーぽ ぱーぽじーち ぱーぽじ にー やーん じゅー でぃどぅぢ どぅちあえお あんぱんまんがちーち あんぱんまんがじーじ ちーたんの
まんまんがじーやまん ちーたんじゅ ちーたんにじっち ちーたんに ちーたんにやおわい まんまんが ちゃんちゃんの ちゃんちゃんがおーぱ ちゃんちゃんげう ちゃんちゃんが ちゃんちゃんよ
あー(絶叫) はいねぢ あーじ(絶叫) うまぢ あー(絶叫) びじぃみ あー(絶叫) わ あー(絶叫) でぃおーぱ あー(絶叫) おーぱ あーじ(絶叫) おーぱ あーび(絶叫) めらめぢっ ふまいまい あーび(絶叫) うまがいまい うまん う う まん ちゃんちゃんよ あーび(絶叫) じばべ またた あーじ(絶叫) あーじ(絶叫) あー(絶叫) ぼおえい ちゃんちゃんにょ ちゃんちゃんよぉ あーじゅ(絶叫) べれろん
ちゃんちゃんべおば ちゃんちゃんよ だべぢた あは あけてあはは えいとぅわいとぅ どぅーだー おーぱー んばあ(以下略)
夢野久作の「ドグラ・マグラ」を彷彿とさせる文字列である。10年弱記者をやってきて文字起こしはそれなりにやってきたという自負はあるけれども、日本語ではない文章(?)を文字起こしするのがこれほどまでに困難を極めるとは知らなかった。
なお、なんとなく改行を施してみたのだが、文章の区切りがどこかわからないので改行としての意味はほぼない。
で、これを寝かしつけるときに隣で娘が延々と絶叫し続けているわけで、最初のうちは「おっ、始まったな」くらいでいられるのだが、延々と1時間ほど続くのでもう自然と笑いがこみあげてきてしまう。寝たふりをしてその場をしのごうにも笑ってしまうので娘の歓心を買ってしまい、ライブのアンコールよろしく歌い続けるのだ。
子どもが生まれてから、しばし寝かしつけるために自分が娘を眠らせて、自分が娘に対して何かを施している気になっていたが、いつの間にか寝かしつけの過程で娘から知らず知らずのうちに「コンサート」というエンターテイメントを提供してもらうようになってしまった。これ自体は実にほほえましいわけだが、娘には明日のためにも一刻も早く寝てほしいという私の思いが娘にあまり伝わっていないようであるのは、親としての贅沢な悩みなのであろうか。