おおぬき

ゆとり世代で全国紙記者。娘が無事爆誕し、父親業も始めました

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最近の記事

「初志貫徹」は近くて遠い

「初志貫徹」という言葉がある。 始めに掲げた志を忘れずに一身に努力を続けて、最終的にその志を形にすることである。多くの人が志を忘れてしまったり、現実の兼ね合いでどうにも志などと言っていられなくなってしまったり、または志を形にすることを諦めてしまうものだ。それだけに「初志貫徹」とは、私たちにとって近そうで実は遠い言葉の一つである。 バレーボールを熱狂的に愛するある友人の紹介で、一人の男性に出会った。 色々と話を聞いてみると、将来は地元で政治家になりたいという。普通の会社員をし

    • タクシーの運転手から道順を聞かれても困る

      最近、タクシーの運転手は非常に接客が丁寧である。私としては、ただ目的地に安全に到着できればいいだけなのに「車が寒くないか」とか「道はどうするのか」とか、いろいろと聞いてくる。 車内の温度についてはともかく、私として困るのが道順の話を聞かれた時だ。 よく「環八沿いを…」とか「靖国通りのところを…」などと言われるのだが、これが極めて難儀だ。 そもそも、タクシーで向かう時というのは急いでいるのに場所がどうにもこうにもよくわからない時である。それだけに「●●通りのところですよね?

      • 【育児】娘が不機嫌病になりました

        子どもは突然発熱をする生き物であるが、ひとえに発熱と言ってもいろんな病気にかかっている。 大人になると「風邪」の一言で片づけられても、子供の場合であれば例えば「リンゴ病」「手足口病」「溶連菌感染症」「プール熱」「おたふく」とか、挙げればきりはない。いずれも症状の違いはあるが、とりあえず高い熱が出てしまう、という症状は共通している。 熱が出る病気の中で、子供がほぼ必ずかかるといわれているのが「突発性発疹」というものである。 これは突如39度くらいの熱が出て、治ってきたと思った

        • 報道の言論の耐えられぬ虚しさ

          米大統領選の結果が確定した。当初各メディアは民主党優位を伝え、さもトランプ氏の情勢が厳しいかのような報道をしていたものの、共和党のトランプ氏が312人の選挙人を獲得し、民主党のハリス氏が226人にとどまった。激戦区とされた7州についてもトランプ氏がすべて勝利し、「大勝」と呼ぶにふさわしい結果だった。 ふと、日米のマスメディアの報道を見ていたとき、考えさせられたものがあった。 日本経済新聞の「米大統領にトランプ氏、4年ぶり返り咲き ハリス氏破る」という記事である。 日経は一

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        • エッセイ・コラム
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        • 男から見る育児
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        • 経済っぽいやつ
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        記事

          蛙化現象とルッキズムと「あばたもえくぼ」の精神と

          いわゆる「流行」というものを追うことなく日々を過ごしてきた私である。 現代における流行にも当然ながら関心が薄いわけだが、仕事柄言葉を扱う手前、さすがに流行になっている言葉くらいは知っておいてもよかろうということで、しぶしぶながら様々な現代用語について勉強してみることがある。 最近になって出てきた言葉で、「ルッキズム」という言葉がある。簡単に言えば「見た目至上主義」のことらしい。 現代においてはこのルッキズムが幅を利かせて、完璧な顔立ちなんかを求めているひとも珍しくないそうだ

          蛙化現象とルッキズムと「あばたもえくぼ」の精神と

          でかいものが素早く動いていると人はどうしても見ちゃうよね

          子供は、動くモノに目を奪われる。男子は特にだが、車や電車といったものが好きである。 小さな子供が親と一緒に電車を見て、手を振っている様子は実にほほ笑ましいものだ。 「動くモノに関心を持つ」というのは小さな子供に特有のものかのように思ってしまうのだが、そうではなく多くの人にとってわりあい普遍的なモノなのではないか、と思う。より正確に言うと、何でもかんでも動くモノに関心を持つというよりは「でかいものが素早く動いている」という様子に人は関心を抱くのではあるまいか、と思うのだ。

          でかいものが素早く動いていると人はどうしても見ちゃうよね

          過去を振り返るってそんなに悪くないんじゃないか

          私は過去の思い出を振り返るのが好きである。 友人とそもそも久々に会うというイベント自体が好きなのだが、その際に昔話に話が咲いて、あまりのなつかしさにおセンチな気持ちになる。これが何とも言えない。 ときに「私たちは今を生きているのだから、過去の思い出ではなく未来の話を酒の肴にするほうがよほど良い。過去の話ばかりを取り上げていてはならぬ」といった言説がある。 確かに一理ある。未来の話で「こんなことをしたら楽しいよね」「こんなことをしてみない?」とか、将来に向けた話があるほうが久

          過去を振り返るってそんなに悪くないんじゃないか

          【育児】教育すべき子供が目の前にいることを忘れちゃいけないねって話

          「腐ったミカンの方程式」という言葉がある。かの有名な「3年B組金八先生」で有名になった言葉のひとつだ。 もともとは、非行少年がいる学級はその影響を受けて周りの人間もダメになるということを説明するために使われた言葉である。要は非行少年は「腐ったミカン」であり、クラスに「腐ったミカン」がいれば周りも腐ったミカンになってしまうからその腐ったミカンをつまみ出すということだ。 「金八先生」ではその「腐ったミカン」である非行少年が転校させられている状況にいたく金八先生が激怒し、子どもに

          【育児】教育すべき子供が目の前にいることを忘れちゃいけないねって話

          シブい男でありたいと思った

          この間池袋を歩いていたとき、すれ違う人たちのなかに中性的な見た目をした男性たちがいた。ふと目を凝らすと、そういった「きれいな男性」が都心にやけに多いことに気づく。個人の性自認も多様化している時代であるし、男性が化粧をするというのも結構当たり前になりつつあるとも聞くし、時代の流れと言えば流れなのだろう。 もっとも、男性が女性に寄っていくことこそあれ、化粧をしない/一切スネ毛を剃らないなどをして、女性が男性に寄っていく現象というのはほぼみられないのは実に不思議なことだ。 テレビ

          シブい男でありたいと思った

          【育児】仕事と、育児と、危機と、平穏と。

          子どもは平気で40度近い熱をしばしば出す。 そのたびに奥さんと協力しながら、仕事を休んだり、抱っこしつつ仕事をしてみたり、時には実家の母親を召喚したり、奥さんが実家に帰って新幹線で通勤(!!)したり、いろいろ工夫をしながら子供の看病をしつつ、日々をしのぐことになる。 私は記者なので、子供を抱っこしつつ仕事をするということができないことはない。当然取材はほぼ無理になるので、仕事の質は下がり、自分にとって納得がいく仕事ぶりにはならない。 時には取材の日程を調整したり、別の人に仕

          【育児】仕事と、育児と、危機と、平穏と。

          青春と歌と人生と

          電車なんかで若い中高生がギャアギャアと仲間内で騒いでいることがある。不快そうに彼ら・彼女らを見る乗客の傍らで、ふと私は「あんな風に過ごした何気ない日々こそが青春だったんだよな」と遠い目をしてみている。 かの有名な思想家であるJ・P・サルトルは「青春とは奇妙なものだ。 外部は赤く輝いているが、内部ではなにも感じられない」という言葉を残したとされる。確かに終わってみれば青春はあまりにも眩しいけれども、青春の日々を過ごしている瞬間はそれが青春だなどと思いもしない。 これほどに儚

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          器のでっかい人になりたいものですね

          娘が寝静まった夜にひとりでいるとき、忘れていた一日の疲労が肉体を蝕んでいることに気づくことがある。襲いくる眠気の中で肉体の動きが緩慢になっていくのを感じながら、こうした疲労感を世の中の大人が抱えていることを認識するようになった。 日常生活のなかで私たちはたくさんの人たちとすれ違っている。ある人は我先にと歩いていき、ある人は杖をつきながら歩いていき、ある人はベビーカーを押して歩いていき、ある人は仲間と談笑しながら歩いていき、ある人は携帯に夢中になりながら歩いていき、ある人は音

          器のでっかい人になりたいものですね

          マクドナルド高すぎ問題

          会社にハンバーガー好きの社員がいる。それほどおしゃべりでもないその社員にある日突然「あの…」と話しかけられたので、仕事の相談かと思い幾分身構えたのだが、開口一番「月見バーガーの発売が始まりました」という報告をしてくれた。 それきり会話は終わったので私も無駄に身構えてしまったなと反省したのだが、とにもかくにも私の頭の中には「月見バーガーの販売が始まった」という事実だけがしばらく残っていた。 実は、私は一度も月見バーガーを食べたことがない。今まで30年以上生きてきたのに一度もな

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          【育児】子供って社会から祝福されてんだなと思った

          子供と公園に遊びにいくと、いっちょまえに歩きたがって地面に下ろすととてちてと歩き出す。 最近は娘のほうから手をつないでくるようになって、こちらをぐいぐいと引っ張って歩いていくほどであるが、コンクリートの道路でも砂の道でも泥道でもお構いなしで進んでいく。多少汚れるのはともかく、着替えもないのに水場へ飛び込もうとするやんちゃぶりは、流石に制止せざるを得ないところである。 公園ではほかの親子もいたりして、一方的に知らない親子のところに娘が「うー」とか「あー」とか言って手を振ったり

          【育児】子供って社会から祝福されてんだなと思った

          都会に潜むグロテスク

          哀しいかな、いまでは「パパ活」という言葉がすっかり広まっている。 20~30代の女性が経済的に余裕のあるおじさん(=パパ)と食事をしたりデートをしたり、時には肉体関係を取り結ぶことで対価としてお金をもらうことを指す。 食事やデートでお金をもらうのはともかくとして、肉体関係を取り結ぶと売春になるので法的に問題があるため、社会問題として多くの人が認知するに至っている。 夜に新宿・歌舞伎町のあたりにいくと、いわゆるパパ活と思しき中年男性と若い女性が食事処から出てきていたり、一緒に

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          学び続けることの意義

          いまでは「ガチャ」が一般に普及したこともあるのか「●●ガチャ」という言葉をよく聞くようになった。 人生もガチャのようなものだ、として「人生ガチャ」なんて言葉もある。昔であれば「人生は運ゲー」とでも言われていたのだろう。 確かに人生が運に左右されることは多い。いまでも付き合いのある友達との出会いの瞬間など、運以外の何物でもないし、受験なんて当日の問題が得意であれば受かるし、苦手なら落ちる。運の要素は極めて大きい。 よく「運ゲー」や「ガチャ」である限り、人生を頑張ることそのも

          学び続けることの意義