2021年の日記集:一番怖いものは

【4月6日】

もうすぐ4/10、あっという間に2周年を迎えようとしている。
なんでだろう、あんまり感慨深さというか感動というか…そういったものがない。

「もうそんなに経ったのか」
「いや、まだ2年しか経っていないのか」
気づけば2年、そんな感じ。

2周年だから何かしよう!というのもない。
年明けくらいから考えてはいたものの、自分の気持ちに正直に行こうと決めた。心から湧いてこないのなら、無理に用意しなくていいや。

今でも毎営業日、最初のお客さんが来るまではソワソワする。
はじめましてのお客さんには、ドキドキする。

自分がなぜ、kenohiをやりたいのか確信を持てぬまま始めたけれど 今でも、よくわかっていない。

ただ毎日楽しく、穏やかで、自分に嘘がなく、幸せなのは間違いない。

危機的状況に陥ることなく、ここまで来た。
「辿り着いた」と言えるほど、自分の力は大きくない。
巡り合わせ、運、周りの人に恵まれた。

客引きをしないスタンスでやってきたけれど、勇気をもって、興味を持って入ってくださる方たちのおかげで成り立っている。

運でも、いいじゃないか。それでも2年続けられたことは嬉しく思う。
辞める時は、自分の意志で辞めたいから。

一説によると、新規開店した飲食店は1年で4割、3年で7割が閉店するそうだ。それは「辞めざるを得なかった」のか「やっぱり違うから辞めた」なのか内情はわからないけれど、甘くない世界であることは覚悟していた。

だからといって、続けていくことが絶対的な正義とも思わない。
自分のペースでやりたいことをやり、日々を過ごしている。
それで続けてこれたのだから、有難い。

「お店に立つのが辛くなったり、飽きるタイミングがどこかで来る」
そんなことを、馴染みのカフェ店主から言われたことがある。
そうだろうなと思う。いつか、来ると思う。一番怖いことだ。

お客さんが来ないことよりも、クレームを頂くことよりも、自分のやる気がなくなることが一番怖い。

「もういいかな」
そう思うときはこの2年間、まだ来ていない。

kenohiのお客さんが好きだし、kenohiの空間が好き。
店舗貸しの日に、お客さんとして行くと居心地が良さがわかる。
キッチンから、リラックスしたり集中したり、思い思いに過ごすお客さんを見守るのが好きだ。


3年目に入る。4年目に入るころには賃貸契約の更新があるから一区切り。
とりあえずもう1年、何も変えずにゆっくりと、自分のペースで歩んでいきたいと思う。

※この記事は、過去にメンバーシップ内の掲示板に投稿していたものを再編集したものです。

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kenohi店主ひかる/一人時間に寄り添う喫茶食堂
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