2021年の日記集:北陸へ

【12月8日】

12/5~12/7、北陸に行ってきました。
主な目的は、金沢へ母方の母(私の祖母)へのご挨拶。
2年前に手術をしたので、結婚式に来てもらうのは難しそうだからだ。

「めっちゃ元気で、お喋りな人だよ」
妻にはそう紹介していたけれど、ちょっぴり声は小さく、おとなしく感じた。

そういえば会うのは6年ぶりで、もう80歳も越えていた。
怖いな、と思う。 父も母も、いつの間にか年を取っている。
大人になってから身近な人が去ったことはない。
後悔しないように、したい。

祖母たちとお茶した後、金沢に単身赴任中の父と美術館に行ったり、ご飯を食べたりした。

「お義父さんが交際を申し込んだんですか?」

私が聞いたことのないことを、嫌みなくストレートに聞ける妻がありがたい。二人で話すときよりも、父が饒舌になる。

母とも行ったことがあるというBarにも行った。
月曜日は仕事だろうに、遅くまで付き合ってくれた。
思えば、実家に帰る「ついで」以外に、こうして父との時間を作ることはこれまでなかったな。

...

美術館。いつもキャプションを細かく読み、どんな素材で、どういう意図で作られた作品なのかをよく確認してしまう。

でも、それはそれで先入観をもって見てしまうよなと思い、敢えてやめてみた。作品のこと、芸術のことは正直わからない。何が凄いとか、特別な技術だとか、そういう知識がない。

ただ、自分のクセが分かった。
写真は全体を見ること。 絵は細部を見ること。立体物は光のあたり方を見ること。
「?」と、作品を観ていて自分が不思議に思うということは、自分の中に期待していたことや当たり前があること。

作者や作品に興味があるときにだけ、美術館に行っていた。
けれど ふらっと訪れて、ぼーっと観てみるのも良いのかもしれない。沢山の気づきがあった。

...

富山で、妻の友人のガラス作家に会った。
「絵画部の4人でいた時は、最強だと思っていた」
「皆で風を切って歩いていた」
「夢(寝ているときに見る)の話を興味を持って真剣に聞いてもらえるとか、そういうのが当たり前ではないと後からわかった」

赤ワインを1本空にしながら、楽しそうに話している二人。
隣で黙って聞いていたけれど、そうだよねと。勝手に共感していた。
そういう友人との出会い、存在というのがかけがえのないものだと、後から気づく。

特別意識はしないけど、空気みたいな、いないと困る人たち。
後からじゃなくて、今気づくには、一体どうしたらいいんだろうね。

※この記事は、過去にメンバーシップ内の掲示板に投稿していたものを再編集したものです。

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