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花粉症の原因は?
ここ二、三十年のうちに花粉症が急激に増えているという。
今では、日本人の半分は花粉症ではないかとも言われている。
僕は花粉症ではないつもりでいたのだが……いつもより水洟が流れるし、アレ?と思ったりもしたが……単なる鼻炎だったらしく、「痒い」などの症状はいっさい出ていない。
伊達眼鏡は相変わらずだが、マスクは今では全く装着していないものの、何か症状が……ということも皆無である。
勿論、花粉症の原因は色々と突き止められている。医学的、科学的知見に基づいて……その考えが間違っていると言うつもりもないが、僕という人間は、決して現代人が妄信しているほどには、現代のテクノロジーを信じてはいない。
……と、言うより、近代以降の科学的知性だけが知性だとは思っていないのだ。
だからと言って、占星術や夢占い的な迷信的分野を信じるような神秘主義者というわけでもない。
要は一方を切り捨て……とくに現代人の傲慢さで、原始的知見を「野蛮」とか「無知」とか「未開」とか決めつけて、全ては科学万能という考えにも組みしたくはないのだ。
いずれにしても、どちらか一方の「妄信」者にはなりたくないわけだ。
とは言え、僕にしてもその基本は科学的合理主義だとは思うが、だからと言って、太古の人類達がその感性によって自然の摂理を解明しようと務めた姿勢にも、ある種の敬意を表したい。
勿論、実際に太古の呪術的な方法論で問題が解決するとは現実には思っていないが……この感性を頭脳の中に組み込んでみると、全く違った物の見え方出に繋がることは確かだろう。
例えば、冒頭に記した「花粉症」。
一般に言われる科学的原因と並行して……ここ二、三十年と言えば、明らかに「不況」に我々が悩まされて来た時期とリンクしていないだろうか?
無論、これが科学的でないことは百も承知ではあるが……僕の頭脳の内部では、重なり合ってまうのだ。
言うまでもなく、花粉症とはアレルギーである。異物が体内に侵入しようとするのを拒絶する反応だろう。
「花粉」が異物であるならば、安心できる人生の歩みに対する「不況」も叉、「異物」と言えなくもない。
この「不況」という「異物」に対する拒絶反応こそ「花粉症」ではないのか……
花粉症の季節と言えば、「春」。何か物事が始まる出発点でもある。
さあ、やるぞ! そう力んではみたものの、「不況」がこれを阻害する。
鼻水は……あんがい形を変えた、国民の「涙」なのかも知れないのだ。
かかる考え方が、僕的な「呪術的」思考法である。
科学の賜物である「薬品」によって、確かに「花粉症」の症状は軽減するだろう。
しかし、それは一時の気休めに過ぎず、根本的解決ではないはずだ。
恰も、政府の気休め的政策そのままに……
それに対し、僕の頭の中の「シャーマン」はかく神託を下している。
世の中が激変し、「不況」から日本が脱すれば……「花粉症」自体も、おのずと収束に向かうことだろう……と……
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