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諦めるのが一番楽なのか?

 自分の心の内部にしろ、自分を取り囲む諸々の状況にせよ……全て満足している人間などあまりいないだろう。

 特に、イヤでも生活に密着している政治や経済のこととなると、思い通りになっていると感じる人など皆無に違いない。

 先だってのアメリカ大統領選の結果に於ても、ハリス氏を応援していたらしい某外国人タレントが、当選したトランプ氏を悪し様に罵り……かえってバッシングを食らっているという記事があった。

 もう結果の出てしまったことにイチャモンつけて何にのるのか?
 じゃあ、トランプ氏に投票した人を全員バカといいたいのか?
 ……等々

 悔し紛れにトランプ氏に難癖をつけるのも、これをインテリ駄々っ子と批判するのも勝手だし……どっちが正しい意見かは一概に断じることは難しい。

 ただし……世間一般の意見としては、どことなく大きな流れに身を任せている方が楽という空気は読み取れる。

 日本の選挙に於ても、確かに保守は後退したが……新たな保守が台頭し……一部の人間が望んだような劇的な変化は望めそうにない。
 
 劇的変化を恐れる気持ちは確かに分かる。現状に不満があっても……まあ何とか生きていけるのだから、下手に変革されてより悪くなっては困る、と言いたいのかも知れない。

 個人的なことではあるが、僕にして……つい、不満を持ちながらも現状に甘んじてしまう向きを否定できない。
 例えばギター。弾き難いので、改造を考える。ネックのソリをトラスロッドを回して調整……しかし、これはメーカーも推奨しないし危険が伴う。サドルを削るという手もあるが……やはり失敗のリスクは否定出来ない。
 へたをすればギターを壊してしまい、初めから業者に依頼するよりカネもかかりそうだ。

 結局……なんとか弾けるのだから……今のままでいいや……ということに落ち着いてしまうのだ。

 まあ、ギターはともかくも……僕としては、「諦めるのが一番楽」という考えを百パー受け入れることは出来そうにない。

 当然、政治経済の問題など、僕一人でどうなるものではないが……少なくとも「諦める」よりは「可能性」は信じたい。小さな団体であっても、より理想を求める勢力は応援したいし、今の体制に追従笑いもしたくない。仮に多少損をしても……

 思うに、自分を取り巻く勢力に一端追従したが最後……究極の砦である心の中まで汚染されてしう気がするのだ。
 そう。心の体制だけは、外部に準じたくはない。だから……僕は心にだけは、「常識」という基準を導入したくないのだ。

 いつだったか……某サイトの掲示板に、

 夢を見るのは三十まで……

 という文言があって、大いに反発した覚えがある。

 夢として、何かを目差していたとしても人間、三十過ぎたら全て「諦め」て……「妥協」して……世間的通例である「常識」の産湯に浸かった方が利口だし、楽なんだよ……と言いたいのだろう。

 その時、僕は思ったものだ。70歳のロックスターが誕生したって可笑しくはないだろう! ……と。

 まずは手始めとして、心の城塞のためにも……取り合えずは、危険覚悟で……より弾きやすくなるという希望を抱きつつ……愛用のギターの調整を試みるつもりである。

 

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銀騎士カート
貧乏人です。創作費用に充てたいので……よろしくお願いいたします。