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約束の冬👍
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現代小説の頂点を極めた作品である、と思う。
著者には三つの顔がある。一つ目は「泥の川」「優駿」「錦繍」等を描く硬質の純文学作家である。二つ目は世相のストリーテラーである。三つ目はエッセイストである。私は一番目の宮本輝先生が好きでした。しかし、この著作を読むことで、著者への思いが変わりました。同時に現代小説のあり方に対し、新しい視点を示唆して戴きました。
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この著作を、私は次のように捉えております。
「先行き不透明な21世紀を上手く楽しく納得して生きるには、身近な人間との小さな約束を人間の絆に育て上げ、有意義な時間を過ごすことがいい方法である。」もちろん、「雪迎え」の形容されるように、人のそれぞれは違うことも、サブストリーとなっている。言い換えます。複数の仲間との絆の大切さを横軸とし、「雪迎え」さながらの個人の人生を縦軸にして時間が経過する。また、作中起こる事件に、大げさなことは一切ない。
硬質な純文学作家が描いたエッセイ風な「約束の冬」は、淡々と”時間”の経過を記し、見事に人生という”空間”を表現していると思う。
著者のあり方の再発見であり、現代小説の新しいあり方を示して下さった傑作であると、私は思います。また、「命」を小説で表現して下さったとも映る。(Amazon投稿に加筆)
かわせみ💎