結婚1週間日記
4月に引越しと入籍をした。
楽しさもあるけれど慣れないことも多く、体感としては一生懸命に日々を送っている。
けれど何年後かに「当時の私はがんばってたわ〜」と面白がる未来はすでに見えていて、未来へ酒のつまみを贈るような気持ちで引越ししてから1週間の日記を書いた。
土曜日
実家から新居へ引っ越した。
私の見通しの甘さゆえ当日朝にバタバタして家族を振り回してしまい申し訳ない。
夜、お風呂に入ろうとしてパンツを実家に忘れてきたことに気づく。盲点。静かに焦ったものの、洋服ダンスに紛れ込んだ迷いパンツが何着かあり事なきを得た。
日曜日
夫が仕事なので日中はひとり。
心細さと不安を紛らわすべく、安住紳一郎の日曜天国を延々と聴いた。
さらに楽しくなりたくて、Xでみた「鏡をみるたび自分にファンサ」というライフハックを試す。己のバリエーションの少なさに悔しさを覚えた。
月曜日
懸念事項だった5時半起きを果たす。
引っ越すと職場が遠くなるため、結婚前から早起きをプレッシャーに感じてきたが杞憂だったかもしれない。
初日はおにぎりを食べながらメイクしつつイヤホンで音楽を聴いてひとり踊った。
火曜日
電車で座席を勝ち取るコツを掴んだ。
女性多めの列を選ぶこと。扉が開いたら座席の種類や位置を問わずとりあえず座れそうな方へ向かうこと。ここでためらったら負ける。
あとは運。
水曜日
入籍と諸手続き、それから記念撮影をしようと夫とめかしこんだ(当社比)。
役所や警察署へ行くたび「実感がない」「妻?」「夫…?!」「見慣れない名前」「戸籍筆頭主!」と口々に言いながら自転車で市内を奔走。
夜気づいたらパジャマを着ていて、カメラロールにはその日の食事だけが残されていた。
木曜日
メールの署名を見て、私を旧姓で呼ぶ人は日常では職場にしかいないのだと気づいた。
もし転職したら当然ながら今の新しい苗字で呼ばれる。それはなんだかさみしい。まだまださみしい。通り名やあだ名くらいの感覚でたまには旧姓で呼んでくれ。
旧姓への未練がひとまず今の職場でがんばるモチベに変換された。
金曜日
夫が休みだったのでクックドゥーの回鍋肉をつくってくれた。
クックドゥー、あなどれない。1週間が終わった開放感もあわさり、さらにおいしく感じた。
夫にはずっと金曜休みであってほしいし、1番おいしいクックドゥー製品を決めるトーナメント戦を開催してほしい。
2週目以降も日常のそこかしこに散らばる見慣れなさにソワソワは続いている。
折に触れては実家の近所に住むおばあちゃんの言葉「喜び哀しみあるけれど、それが人生だからがんばろうね」を思い出し、嗚呼これが人生と噛み締めて、噛み締めすぎてふとしたときに歯が痛む。
早く近場の病院を探さなければ。たぶん6月には行く。
その頃にはソワソワも落ち着いていてほしいし、まだまだ未来の私を面白がらせたいしで悩ましい。