仏教

Rokuharamitsu

今日のタイトルは「六波羅密」です。

英訳例としては「the perfection of six practices for reaching the other
shore of  Enlightenment」

仏教用語はむずかしので、英語の方が意味合いがわかりやすい場合が
あります。

いきなり仏教用語で恐縮ですが、本稿は「mindset」がテーマなので、
宗教や信仰のことを書こうというのではありません。

意識していないところで、日常生活や習慣、行事に仏教が浸透しています。
考え方」という視点で、このタイトルを取り上げています。

波羅蜜(はらみつ)」は、パーラミーターという梵語の漢音写で、
(ど)」とか「到彼岸(とうひがん)」と訳されます。
六波羅密」は「六度万行(ろくどまんぎょう)」とも言われます。

大乗仏教の神髄を説いた経典の「般若心経(Heart of Great Perfect Wisdom Sutra )」の中にも、登場する言葉です。

現実世界=此の迷いの岸」から「仏の世界=彼の悟りの岸」へと
渡してくれる実践行(修行法)のことです。

暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、春秋の「彼岸」と呼ばれる行事は、これらを実践するということから名付けられています。

よく知られたビジネスフレームワークに「As is / To be」があります。

To be(あるべき理想の姿)As is(現状)とのGap(ギャップ)を問題
して捉えるので「ギャップ分析」とも呼ばれます。
As is=現実世界、To be=仏の世界と読み替えれば、同じようなフレーム
ワークです。

実際には「現状」を正しく認識することはもちろん、「理想」を明確にする
ことはさらに難しいものです。

さらに、ギャップをなくさないと問題解決にはつながらないわけです。

仏教では悟りを開くためには6つの実践項目があるとされています。
ビジネスの場合はどうでしょうか?

宗教的な考えは抜きにして、一般的には本当の幸福にいたる六つの道や条件のことを「六波羅蜜」だというくらいの捉え方でどうでしょうか?

布施(Charity、Offering)(親切)・・・惜しむ心を退ける
持戒(Morality、Keeping precepts)(言行一致)・・・行いを正しくする
忍辱(Endurance)(忍耐)・・・怒りやすい心を治める
精進(Diligence、Endeavor)(努力)・・・怠りの心をなくす
禅定(Mediation、Concentration of mind)(反省)・・・散りやすい心を静める
智慧(Wisdom)(修養)・・・愚かな暗い心を明らかにする

内容の詳細はさておき、大事なことはあくまで継続して実践することです。

言うは易く行うは難し(it's easier said than done.)」

単に、言葉を知っているだけでは何の意味もありません。

福祉や医療、ビジネスなどの分野に当てはめると、いろいろありますが、
例えば
①布施では、「ボランティア活動」
②持戒では、「コンプライアンス」
③忍辱(にんにく)では、「アンガーマネジメント」
④精進では、「ハードトレーニング」
⑤禅定では、「ヨガ」、「禅」、「マインドフルネス瞑想」
⑥智慧では、「ビジネス思考」

などに、関連するかもしれません。

個人・家庭人・学生・職業人・社会人・国際人など、それぞれ人としての
立場がありますが、今がどの立場であっても「智慧と実践のヒント」を仏教から学ぶことができます。








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