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Ⅰ 低学年で覚えて欲しい生活スキル 12 並び方、集合の方法 その2
1️⃣ 集会のとき、自分の並ぶ場所が分かる
指示がある前に並ぶ。 【育て方】
並ぶ場所が分からない小学生は、大人になったときには方向音痴になります。小さときから、補う方法を練習しておいた方がいいでしょう。練習方法は、簡単です。散歩です。
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散歩しながら、道に迷わないように目印を言葉で確認していくのです。特に、曲がり角の目印を記憶するよう教えましょう。よく行く散歩道の目印を覚えたら、見知らぬところに出かけてみましょう。初めて行ったところの目印を覚えて、次回また行ってみたときに「目印を覚えているか、確かめてみる」とスキルが育ってきたかどうか分かります。
「近所の神社公園に行くとき」の教え方を書きます。
【セリフ】お母さんと子どもの「やりとり」を使っています。
母「今日は、神社公園に行くよ。」
子「いつものとこだね。」
母「そうだよ(「共感」)。でもね、今日は、一人でも行けるように目印を
覚えながら行くよ(「覚えて」)。」
子「一人で行くの?」
母「そうだよ。一人で行けるようになったらうれしいよね(「想像」)。
まず、ここに赤い橋があるね。ここを渡ります(「覚えて」)車が通るか
ら気をつけてね。」
子「赤い橋を渡る。」
母「そう、よく覚えたね(「共感」)。」
母「ここは、道が2つの別れているね。右へ行くんだけど、左にお寺がある
ね。だから『お寺のない方に行く』と覚えましょう(「覚えて」)。」
子「分かれ道は、お寺のない方。」
母「左と右だと、どっち?」
子「右に行く。」
母「正解(「共感」)。」
母「ここに、大きな建物があるね。これは、老人ホームだよ。」
子「老人ホーム?」
母「そう。老人の人がみんなで助け合って生活しているところだよ(「覚え
て」)。この老人ホームに来たら右に曲がります(「覚えて」)。そうし
たら、ほら、正面に神社公園が見えるでしょう。」
子「本当だ。着いた。」
母「老人ホームに来たら・・・」
子「右に曲がる。そうしたら、神社公園につく。」
母「そうだね。よく覚えたね(「共感」)。今度来るときは、あなたが案内
してね。」
子「えー!!・・・でも、がんばる!!」
2️⃣ 前になれ・右へなれ・右向け右・回れ右・気をつけ・休めが
できる。【育て方】
ここで育てなければならないのは、「右と左」が分かるということです。平均タイプは、利き腕が決まった頃から自然に覚えます。凸凹タイプの中には、これが理解できなかったり定着しなかったりする子がいます。
「箸を持つほうが右」と教えたり、靴を履くときに左右を間違えないように教えたりするのが普通です。しかし、箸は左利きがいますし、靴の左右は案外見分けにくいのです。
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そこで、お勧めはやはり散歩です。「じゃんけん散歩」という遊びしながら、楽しく右と左を覚えましょう。散歩の途中で四ツ辻や分かれ道に来たら、親子でじゃんけんをするのです。そして、勝った方が「右に行く」か「左に行くか」決めるのです。
最初の内は「こっちが右で、こっちが左」と説明してからじゃんけんしますが、すぐに左右を覚えます。いつもと違う知らない方に行けるので、モチベーションが高い遊びだからです。
四ツ辻のときには「まっすぐ行く」も選択肢になります。大人は帰りやすいように、コントロールしようとしますが、結構とんでもないところに着くので、大人も楽しめます。
3️⃣ 1列から2列になる、2列から4列になるなど並び変えが
できる。 【育て方】
このために育てておくスキルは「分類して、並べる」です。それが、「列」というものを理解するのにも役立ちます。このスキルは、ひいては、算数の力にもなっていきます。
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「分類して、並べる」のが育つ遊びは、ブロックです。それも、たくさんあった方がいいでしょう。やり方は、各自で工夫しましょう。2つ程例を上げておきます。
・「赤ばかりで、飛行機を作ろう」と提案して、まず赤いブロックを集
めて、それから飛行機を作る。
・色とりどりのロボットの見本を作って「これと同じものを作ろう」と
提案する。その際、いちいち色や形を探さなくていいように、まず
赤、黄色、緑、青、白のブロックを集めて分ける。更に、形によって
分ける方法を教えてあげる。
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