《注意集中に課題があるタイプ》のアセスメントとその支援の方法 その10 具体的な支援の方法⑨
「ユニバーサルデザインの授業法(どんな子どもにも分りやすい授業法)」の解説の続きです。
授業の内容・技法-1
24 15分ごとを目安に、内容や活動形式を変化さ
せ ているか?
凸凹タイプは、注意集中の持続時間が短い子どもが多いです。
・注意集中が、生まれつき短かい
・「見る」「聞く」の弱さのせいで、注意集中が続かない
・興味がないことに注意集中するのが苦手(持続力がない)
だから、長く同じこと続けると、凸凹タイプは注意集中が切れて勝手なことを始めます。しかし、活動が変わると注意集中がリセットしてまた15分ほど頑張れるのです。
だから。先生は、45分の授業を15分ごとに形式が変わるような3段階の指導案を考えていく必要があります。
e.g. 調べ物学習 ➪ 発表の準備 ➪ 発表
説明 ➪ 練習問題 ➪ テスト
疑問 ➪ 仮説 ➪ 実験
25 何か、身体を動かす活動を取り入れているか?
凸凹タイプの中には、じっとしていることによって、返って注意集中が切れしまう子がいます。その子は、動くことによって覚醒レベルが上がり、少し嫌なことでも「注意集中すること」ができます。
そこで、自分で身体を動かして覚醒レベルを上げようとします。絶えず身体をゆすったり、足をパタパタさせたり、イスをカタカタ鳴らしたりします。そして、先生に「何してるんだ」「落ち着きなさい」「うるさい」と叱られてしまうのです。頑張ろうと、しているのにです。
だから、先生の方で身体を動かす活動を、授業に取り入れて行けばいいのです。学習で作業のために机を動かしたり、隙間遊びをしたり、配布物を配る仕事を与えたり、班で話をさせたりするのです。
つまり、合法的に身体を動かす活動を入れてあげると、注意集中があがるのです。
26 空白の時間ができていないか?
子どもを待たせていないか?
凸凹タイプは、授業中に空白の時間があると注意集中が切れてしまいます。そして、遊びなど時分勝手なことを始めます。当然ですが、先生に叱られてしまいます。
しかし、空白を作ったのは、先生の方です。先生が、注意集中を切れるように仕組んでおいて叱るというのを「落とし穴教育」と呼んでいます。
先生が作ってしまう、悪い空白の時間の例を、いくつかあげておきます。
・先生が「えー、そのー」と説明に詰まって口ごもる
・プリントなど、配布物を配るときに時間がかかる
・子どもを整列させるのが下手で、時間がかかる
・先生が、授業中に自分の机の周で探し物をする
・先生が忘れ物をして、職員室に取りに行く(最悪)
・チョークがないので、備品棚から出す
・黒板が消えてないので、消してから書く
・先生が、教室に遅刻してくる