《聞いたことをまとめるのが苦手なタイプ》のアセスメントとその支援の方法 その2 算数の支援の方法①
支援の方法を「算数」「国語」「集団生活」の3つについて書いていきます。小学校での取り組みで、標準的にすればいいことを書いておきます。
通常学級や家庭では、この程度しか取り組めないということです。幼児期や中学校時期は、それらを参考にしながら試行錯誤してください。
まず、《聞いたとをまとめるのが苦手なタイプ》の「算数」の支援から書きます。
支援の基本は、苦手じゃない方、得意な方の《見たことをまとめる力》と長期記憶(丸覚え)を使うことです。
《聞いたことをまとめるのが苦手なタイプ》は、算数の簡単な計算問題は得意な子が多いです。「好き」だという子もいるでしょう。でも、だからといって、「算数全般が得意だ」と判断してはいけません。次の3つのことが、苦手です。
順番に、解説していきます。 ➪以降が支援の方法のまとめです。
①九九を唱えて覚えるのが苦手
小学2年生になると、かけ算の準備として九九を習います。《聞いたことをまとめるのが苦手なタイプ》の子どもは、これが大変苦手です。九九は、唱えて覚えることを中心にしているからです。
聞くのが苦手なので、音とリズムで覚える九九は難しいのです。経験上ですが、平均タイプの子どもは、大体2週間ほどで覚えてしまいます。
《聞いたことをまとめるのが苦手なタイプ》の子どもは、何ヶ月もかかります。5年生で、まだ「4の段や7の段を覚えていません」という子どもに会ったことがあります。中学生では「俺、覚えるがいやで覚えてないから」と言う子さえいました。
支援の方法としては、得意な力の視覚と位置情報を使って覚えるといいでしょう。文部科学省から、そのために各学校で九九カードを購入するように指示が出ています。
➪九九カードを並べて覚える
・九九カードを一度、1の段から順に並べる
・大体のイメージをつかむ
・九九カードを集め、順番をランダムにする
・カードを見ながら九九と答えを言い、それがあった位置に戻して
いく
・最後までやって、九九表を完成させる
※初めは2と3の段だけとか、2から5の段まででやるとか
子どもに合わせて数量を調整して実施する
もう一つの方法は、丸覚えする方法です。
➪九九表を用意し、それを見ながら計算する
これを続けていると、いつの間にか覚えてしまう
覚えてしまったら、使っていた九九表を破って捨てる
※この方法で、最終的に九九が覚えられなくても、九九表を
小さくしてずっと使い続ければいい。そもそも、九九など
覚える必要はない。九九は、計算が早くなり便利なだけの道具。
②以降は、算数の支援方法「その2」に続く。