《注意集中に課題があるタイプ》のアセスメントとその支援の方法 その12 具体的な支援の方法⑪
「ユニバーサルデザインの授業法(どんな子どもにも分りやすい授業法)」の解説の続きです。
授業の内容・技法-3
30 「普段できていない適切な行動」ができていた
とき、必ず褒めているか
クラスで集団行動をしたり授業を受けたりするときに、いつも目立って気になる子がいます。つまり、問題行動をする子がいます。立ち歩いたり、衝動発言したり、並ぶのが遅かったり、常にしゃべっていたりする子などです。
そいう子どもが、普通に見えたときには「普通に見えることを」褒める必要があります。
なぜなら、集団行動や授業を受けるために、本人がかなりの努力をしてみんなと同じように振る舞っているからです。だから、普通に見えるのです。
普段、授業中にすぐしゃべる子どもが、黙って先生の話を聞いているときの【セリフ】の例を書きます。
「~君。今日はいいね。黙って先生の方を見ているね。先生の話を聞いて
くれているね。みんなと同じで、先生は話しやすいよ。」
※当方はこのあと「~君、普通に見えるよ」と言ってしまいます。
31 視覚情報を使ったり、楽しい小道具を使ったり
しているか
どうしても授業は、お話が中心になります。《聞いたことをまとめるのが苦手なタイプ》の子どもは、注意集中が切れてしましがちです。《見たことをまとめるのが苦手タイプ》や興味が狭い子どもも、話し中心では気持ちが切れやすいです。イメージが持ちにくいからです。
だから、先生はお話だけでなく、理解の参考になる視覚教材や小道具を用意する必要があります。最近はICT技術が進んだので、視覚教材は簡単に用意いできるようになりました。小道具も工夫次第で、注意集中が上がることが分かっています。
小道具の例を一つ書きます。
以前、算数の容量の勉強のときにジョルトコーラの空き缶を用意した先生がいました。コカ・コーラの缶でないのがミソです。子どもたちは「なんだ、見たことないぞ」と食いついて見ていました。
先生は、ジョルトコーラをディスカウントショップで見つけた話から、ミリリットルの話へうまくつなげていました。子どもたちの注意集中は、最後まで切れませんでした。
32 部分から全体を説明したり、全体から部分を説
明したりしているか
子どもが学んでいく方法には、いろいろな分け方があります。その一つに、継次処理と同時処理というのがあります。このどちらしかできない子どもがいます。だから、先生は2つの教え方で一つの内容を説明しないといけないのです。
・継次処理➪順番に学んでいって最後に情報をまとめ上げる方法
見分け方‥道を聞く時に言葉の説明を好む
・同時処理➪全体を見てその関係性から情報を学んででいく方法
見分け方‥道を聞く時に、地図を書いて欲しがる
理科の例で、簡単んな指導案を紹介しておきます。本質は、細部にあります。じっくり見てください。