《思考の柔軟性が弱いタイプ》のアセスメントとその支援の方法 その3 どんな状態で、小学校にあがってくるか?
《思考の柔軟性が弱いタイプ》は、自分の思いを抑制しないで、ルール・常識・マナーを次のように学びます。
・学びたいことだけを学ぶ
・学びたくないことは学ばないか、自分の都合のいいように変える
すると、徐々に一般的なルール・常識・マナーからずれてきます。それを《自分ルール》と呼んでいます。
例を上げておきます。実際に聞いた例です。
・財布が落ちていたら、神様の贈り物だと思う。
・赤信号でも、車が来ていなかったら信号機は無効だと思う。
・先生でも、教えてもらっていなければ挨拶しなくていい。
・店の人がいなければ、店が悪いのでお金を払わなくていい。
・口に物が入っていても、飛ばさないように注意したら話してもいい。
・前から左側通行する人が歩いてきたら、避けなくてもいい。
知識や語彙なども、次のように学びます。
・学びたいことは隅々まで覚えようとする
・学びたくないことは、全く興味を示さない
・知識や語彙を人から学ぶのではなく、自分で独自に学んでいく
・知識や語彙が自分勝手な解釈になっている場合もある
すると、徐々にコミュニケーションが人とやや違うものになっていきます。それを《自分言葉》と呼んでいます。
これも、例を上げておきます。実際にあった例です。
・石を投げてガラスが割れた。割ったのは、自分ではない。石だ。
・学校に「食べのもの」を持ってきてはいけないと言われたので、ジュ
ースを持ってきた。
・友達に書道道具を借りなさいと言われたので、黙って持ってきた。
・「おはよう」と言われてハグする友達がいた。「嫌だ」と分かっても
らうためナイフを出した。
・ドアは知っているが「扉を締めてください」と言われても、分からな
かった。
・「映画に、なんで来たの」と言われて「来たかったから来た」と答え
た。質問は、来た手段を聞いたものだったので、友達は呆れた。
このように《思考の柔軟性が弱いタイプ》は、「学ぶ」か「学ばないか」「好き」か「嫌い」か「覚える」か「覚えない」か「やるか」「やらないか」か「守るか」「守らない」か、など極端な行動をしています。それは、考え方にも大きく影響して来ます
それを《0か100かの考え方》と呼んでいます。
《思考の柔軟性が弱いタイプ》は、幼少期を一人でブロックや積木やミニカーで遊んだり、図鑑やテレビやDVDで知識や語彙を学んだりしていることが多いです。一人遊びですから、次のような行動様式になってきます。
・何でも自分で決めることができる
・困まったことがあっても、何でも自分で都合のいいように解決する
つまり、何でも思いどおりにできるのです。
まとめておきます。《思考の柔軟性が弱いタイプ》は次の4つの特性を持って小学校にあがって来ます。
①自分ルール
②自分言葉
③0か100かの考え方
④何でも自分で決める 何でも自分で解決する(思い通りにする)
このような特性の状態で小学校に上がってきた子どもたちが、具体的にどんなことに困るかを《その4》に書きます。
【参考】 こうな状態で小学校に上がって来ないようにと願って、元発達指
導員の育て直し日記《0歳から3歳編》と《4歳から6歳編》を書
きました。
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子どもに色々教えやすくなります。すると、子ども理解進んで我が
子がさらに愛く思えきますよ。