Ⅱ 低学年で覚えて欲しい学び方スキル 19 発表の方法 その5
1️⃣ 発表や質問、多数決のときなどの正しい手のあげ方を身
につける。手を伸ばし耳につける。「はい、はい」言わ
ない 【育て方】
2️⃣ 必ず、当てられてから発表する 【育て方】
この2つの項目を育てるためには、解説しましたように「ちょっと我慢して~する」を育てなければなりません。「ちょっと我慢」を育てるには、実行機能を育てることが必要です。
実行機能とは「目標を達成するために、自分のしたいことを抑制したり、切り替えたりする脳の能力のこと」です。
これは脳を車に例えると、ブレーキやアクセル、ハンドルにあたります。つまり、凸凹タイプは「好きな方向にだけハンドルを向け、ブレーキは踏まないでアクセルを踏み続ける子ども」だと言えます。だから、衝動的に発言し「はい、はい」言うのです。
低学年で実行機能を育てるためには、次の6つの条件を満たす活動をしないといけません。
・自分で進んでやりたいと思うこと
・ルールがあり、運動をともなうこと
・子どもどうしでコミュニケーションすること
・嫌なことも我慢できるほど熱中できること
・ごっこ遊び的な要素がはいっていること
・上手に支援してくれる大人がいること
この条件を学校で満たているのは、集団遊び(集団を基礎とした遊び)です。まだ、小さいのでドッチボールやキックベースなど複雑なルールを覚え、難しいスキルを必要とするスポーツ的なものは無理でしょう。
となると「昔ながらの鬼ごっこ」みたいなものが一番最適です。大人が参加して遊ぶのがポイントです。少し、例を挙げておきます。
・手つなぎ鬼 ・氷鬼 ・高鬼 ・色鬼
・しっぽとり鬼 ・エイリアン鬼
・かくれんぼ ・山道じゃんけん 渦巻ジャンケン
・ことろことろ ・初めの第一歩 ・たけのこ一本
・泡ぶくたった煮えたった
エイリアン鬼は、珍しいのでルールを紹介しておきます。その他は省略します。有名な遊びを挙げておきましたので、知っている方も多いでしょう。ネットで調べたら、すぐ出てくると思います。
これらを楽しく遊んでいる内に、実行機能育ち、集団生活上の最低ラインのルールを、仕方なく受け入れられるようになるのです。さざ、遊びましょうです。
エイリアン鬼
⑴準備・ルール
・運動場に下図のような線を引く。
・体育館のときは、バスケットの線などを利用する。
⑵遊び方
・片方の陣地に全員はいる。鬼は一人でエイリアに成り切る。
・「エイリアンが出たぞ」とエイリアンが叫ぶと、もうひとつの陣地まで
走って逃げないといけない。
・その間にエイリアンは、捕まえて腹ワタを食べる。食べられるとエイリ
アンになってしまい、次回はエイリアンが増える。
・これを繰り返し、残り数人でおしまいにする。
⑶ポイント
・この遊びのポイントは、腹ワタを食べられるという「ごっこの要素」に
あります。
・実行機能の弱い子どもは、食べられた食べられなかったということでト
ラブルになります。その他、腹ワタを食べたれたら、痛かったと泣いた
り殴りかかったりします。
・それを、大人がうなく指導することで、実行機能が育っていきます。
実行機能について、もっとに知りたい人は次の本が参考になります。
3️⃣ 以降は「その6」に書きます。