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《思考の柔軟性が弱いタイプ》のアセスメントとその支援の方法 その20 実例の細部から、支援の方法の本質を学ぶ-⑭ 忘れ物をして遊んでいる子ども
事例14 コンパスを忘れたので、遊んでいるのは《自分言葉》で《自分ルール》
3年生の算数の時間。先生が「教科書に乗っている図を、コンパスで書いてみましょう」と指示を出した。
みんな一斉にやり始めたが、N君はやらない。暫くすると、消しゴムをちぎって遊び始めた。先生が近づいて「昨日は、コンパス頑張っていたじゃないの。今日はどうしたの?」と声かけると「うるさいわ」と言ったので、ものすごく叱られてしまった。
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【解説】昨日は頑張っていたんだから、N君はコンパスが使えないわけではありません。もちろん、怠けているのでもないでしょう。
先生は、N君がコンパスを持っていないにことに気づくべきでした。つまり、忘れたのです。じゃ、頼めばいいのに頼まないで、消しゴムで遊んでいます。おまけに先生の声かけに「うるさいわ」と言っています。これら2つは《自分言葉》で《自分ルール》です。
面倒くさいですが、「想像」してそれに気づき指導していくしかありません。
【セリフ】
先生「昨日は、コンパス頑張っていたじゃないの。今日はどうしたの?
分かった。コンパスを忘れたのかな(「想像」)?」
N君「うん。」
先生「忘れたら、できないよね。困ったでしょう(「共感」)。そんなとき
は、先生に頼みに来てください(「覚えて」)。」
N君「頼む?」
先生「そうか、頼み方が分からないんだね(「共感」)。忘れ物したときは
『すみません。コンパスを忘れたので、貸してください』と言えばいい
ですよ(「覚えて」)。分かった?」
N君「分かった。」
先生「じゃ、言ってみましょう。」
N君「すみません。コンパスを忘れたので、貸してください(「すみませ
ん」)。」
先生「はい、いいですよ。前に取りに来てください。次から、忘れないよう
に注意してください。」
N君「はい。」
先生「いい返事(「共感」)。信じてますから、次から頑張ってください。
あっ、今、思いついたけど、コンパスを持っ帰って家でも使って遊んで
たのかな(「想像」)?違う?」
N君「家で、お母さんに見せてた。」
先生「そうなんだ、それはいいことしたね(「共感」)。でも、忘れ物は忘
れ物だね。気をつけましょう。」
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