抑うつ状態で休職したら復帰のタイミングがわからない

　タイトルの通りである。

　自己紹介を投稿してから半年経った。その間、記事を書いては非公開、書いては非公開にしている。どうも書こうと思うとまとまらない。趣味とは言え物書きの端くれ、体裁を気にしてしまうのである。
　だから、今日は気にしない。

　結局、休職することになってしまった。

　私は酷い抑うつ症状が月に１～２週間出る。物事を敏感に感じ取りやすいHSP気質であり、他人に迷惑を掛けることや他人に迷惑だと思われているだろうなぁという妄想によるストレスに途方もなく弱い。結果、突然数日休むことを毎月繰り返すうちにどんどん期間が長くなり、比較的マシな症状の日でも仕事に行けなくなってしまった。これは抑うつ症状にある自分を他人に見られたくないという自己防衛の心理と、同じフロアに鬱ど真中の人がいることで皆が気を遣い全体的にお喋りが減ったり小声になることへの罪悪感によるものであった。「いや、後者は気にしすぎでしょｗ」と言われるのだが、それがHSPなのだからとしか言いようがない。

　その都度休んでいると、当然有給が足りなくなる。理解ある上司がありとあらゆる手を使って配慮してくださったけれど、どうしたって限界がある。
　春、異動があり、新体制へ移行する季節。
　ついに上司に言われてしまった。「体調を把握し、有給を管理するのも仕事の内だ」――全くその通り過ぎてぐうの音も出ない。これまでの上司はグズグズでも頑張りたい、休みたくないという私の願望を尊重してくれていた。しかし、何度でも言うけれど、どうしたって限界があるのだ。

　そんなわけで、休職をした。
　初めは1ヵ月、気付いたらまた1ヵ月延び、2ヵ月延び、このあと3ヶ月延びる予定だ。現在の私は回復傾向にあるとされ、職場のOKが出れば復帰訓練などを始めることになる。
　はたしていつになることやら、とカレンダーを見ながら遠い目をする。

病名を診断されない「抑うつ状態」

　ちなみに、その間低用量ピルを試したり、抗うつ剤を増やしたり変更したり色々試している。それについてはいつか気が向いたときに別途書きたいと思う。
　で、相も変わらず私の症状は「抑うつ状態」だ。病名の診断はされていない。私はPMDDではないし、大うつ病（うつ病）でもない。適応障害でもなければ新型うつでもなく、躁うつ病ll型でもないことになっている。お医者さん用語では気分変調症なる便利用語があって、強いて言うならそれでいいんじゃない？と言われたことはあるが、HSPの人はかなりこれになっちゃうじゃないって眉毛に唾べちゃべちゃものだった。

　要するに、「病気と断定するほど型に当て嵌まってないし、症状も重くないけど、確かに本人は辛そうで生活に支障が出ているっぽい」という状態である。

　「抑うつ状態」で休職中の私の症状をまとめてみる。

・2時間おきに目が覚める、早朝に目が覚める
・口渇や浮腫み
・体が怠くて動けない、疲れやすい
・意欲がわかない
・突然ボロボロ泣きだす
・死にたくなる
・過去にあった嫌な出来事を思い返して脳内で反論する
・人が怖くて外に出れない
・嫌な感じがする（落ち着かない、ここにいてはいけないという気持ち？）

　などなど。
　なお、この中で常に起きているのは睡眠に関してくらいであり、その他は日によって斑がある。元気な日は家事もするしゲームもするし犬の面倒も見る。ダメな日は一日寝ている。一日中布団の中で面白い犬の動画とか見ている。病院や買い出しなどの外出はできる。めちゃくちゃ疲れるけど、全くダメではない。新しい薬にしてから意欲低下については劇的に改善した。

　そう、家事ができるし、ていうか労働以外の日常生活が割と送れているのだ。誰かと会話している時は普通に見えるし、冗談も飛ばせる。大うつ病の知り合いがいないから何とも言えないのだが、どう考えても私の症状は「軽い」のである。いつでも復帰できるじゃないか！よく言われる。なんなら私もそう思う。
　でも、たぶんまだできない。

「あなたくらいの症状なら服薬しながら働いている人は沢山います」

　主治医に言われた。
　なお、これは突き放した台詞ではなく、復帰のタイミングについて質問した時に返ってきた答えだ。つまり、「ドクターストップを掛けるほどでは全然ないから、本人の意思と職場との相談で決めなさい」と言っているのである。
　私は戸惑う。

　本人の……意思……？

　めっちゃ困る。いや、わかるよ！「抑うつ状態」っていうのはつまりそういうことなんだ。心療内科で診るような症状というのは検査で客観的に判断できるものはとても少なく、大体が患者の自己申告。とりたて「抑うつ状態」なんてフワッとした言葉で包まれた状態の人に医師ができることは、症状の自己申告に対して都度それを改善する薬を処方することだけ。
　こういう言い方はお医者さんにも患者さんにもとても失礼だと自覚しているので、私が通っているビジネス重視クリニックでは殊更この傾向が強いのだと「ふ～ん（鼻ほじ」程度に聞き流してくれたらいい。

　話を戻して、では私はいつ復帰したらいいのか？
　全然わからない。本当にわからない。わからなすぎて途方に暮れている。

　だって、症状の程度だけ見れば現状でも十分働けることになるんでしょう？大丈夫な気がしないんだけど。自信がないことに自信があるくらい自信がないんだけど。
　復帰はできると思う。ただ、寛解？とは言えないので？再発しないという確信が持てないのだ。私は再発が何より怖い。休職期間が長くなることよりも、一度復帰したのに再度休職しなければならなくなってしまうことがよっぽど怖い。治ったと言うなら完全に。もう後がないのだ。そう言って日々自分を追い込んでいる。

　症状が重い人。
　治療環境が整っていない人。
　戻るべき職場に物凄い嫌な奴がいる人。
　何年も何年も病気やつらい想いと闘っている人。

　私より大変な人は沢山いる。私は「この程度」で済んでいるのだから、周囲の優しさに甘えていつまでもだらけていてはいけない。
　そう、自分を叱咤するのだけれど。

　そういうのが余計に症状を悪化させるんですよと言われてしまう。

　どれくらい症状が出なくなったら復帰していいんだろう。
　症状がなくなるってなんだろう。
　そもそもどこからが症状だったっけ？性格や人としての弱さとは何が違うんだろう？
　諦めてない。諦めてないんだけど、もうずっと途方に暮れている。