□□□とボードゲーム(1.618)〜デュシャンとチェス(続々々々々:超マス)
前回の記事はこちら。
前々回の宿題をしないまま終わりました。
さらに、ちょいとした体調気分不良の「のほほ〜ん」状態となってけっこう休んでしまいました。
ごめんなさい。
さすがに今回は宿題を片付けます。
なお、ナンバリングは黄金比(1.618…)の近似になっていますが、たまたま気づいて悪乗りしているだけで、記事の内容とはほぼ無関係です。
前々回の宿題と個人的妄想
で、前々回の記事はこちら。
残していた宿題はこちら。
正解はわかりません。
わかりませんが、四次元に興味をもったデュシャンならば、と妄想しつつ仮説を立ててみます。
袋に入れたブロックの個数は24個。
描かれなかったブロックの個数は3個。
です。
正八胞体(四次元超立方体)
デュシャンの1925年のポスターに描かれた立方体のブロックは、三次元化したチェス盤のマスを表しています。
で、この立方体マスを同じようにもう一次元あげてみます。
これは、四次元化した超立方体(正八胞体)のマスです。
正八胞体というのは、三次元の立方体が6個の正方形を組み合わせた図形であるように、四次元超立方体は8個の立方体を組み合わせた図形になります。
上の図を見ると、中央に小さい1つの胞体があり、その周り4箇所と上下それぞれ1箇所に合計6つの胞体があり、図形の外側に大きな1つの胞体で、あわせて8つです。
正八胞体は下の図のように表すこともできます。
さて、正八胞体を構成する正方形の数をみてみます。
1つの胞体は立方体ですので、6個の正方形から成り立ちます。
胞体は8個あるので、単純に数え上げると48個です。
しかし、どの正方形も2つの胞体(立方体)の面が接しているので、その半分の24個となります。
さらなる特徴として、立方体だと辺で接しない2つの面が3組あるように、正八胞体は、面で接しない2つの胞体が4組あります。
おまけですが、キングと24マスの組み合わせの特徴を。
通常のチェスで、キングが2回移動することで到達できるマスは24個あります。
さて、正方形のマスからなる正八胞体の盤面を考えてみます。
1つの胞体つまり立方体の面の1つがマスになります。
マスは2つの胞体に含まれていますので、キングはそれぞれの胞体での辺に接するマスに移動できます。
胞体の向かい合う面には移動できない(2回移動が必要)ので、合計すると8マスに移動できます。
通常のチェスと同じく8マスなのが面白いです。
では正八胞体の盤面でキングを2回移動するとどうか。
1マスだけ3回移動でないと到達できません。
描かれないブロック
24個の妄想はこの程度にして、次は描かれないブロックがなぜ3個か、です。
ある意味シンプルです。
チェスの勝敗が着くのに必要な
コマの最低数は3個
です。
まず、何よりもそれぞれのプレイヤーのキングは欠かせないので2個いります。
その一方、キングだけでは勝敗がつきません(チェスでは、相手に捕獲されるようにキングを移動することができないので、結果引き分けになってしまう)。
キングを詰め(チェックメイト)するコマがどうしても1個必要になるので、合計3個です。
コマが置かれているマスは、当然空きマスではありません。
つまり、ポスターに描かれたブロックはすべて空きマスのブロックだ、と妄想してみました。
24マスの盤面の作品
ところで、デュシャンの作品にはチェスのモチーフが含まれているものが少なくないわけですが、ネルソン・アトキンス美術館が収蔵している作品に「Marcel Duchamp Cast Alive(マルセル・デュシャンの生きた鋳像)」があります。
左上の顔の鋳像は、デュシャン本人のライフマスク(存命中の本人の顔)です。
デュシャンがチェス盤を見下ろしていますが、このチェス盤――24マスなんです。
まあ、偶然、でしょうけどねえ。
締め
ということで、引き延ばした宿題をようやっと出すことができました。
色々と失礼しました。
デュシャンとチェスは掘り出すとドサドサ発見があって面白い。
とはいえあと1回やって一休みして別の話題に浮気しようかしら、なんて考えてもいます。
どうしましょ。
次回もよろしくです。
では。
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