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深夜のコンビニエンスストア

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愉快にいきたい3人の溜まり場
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#日記

#13.花束

8月、私は東京の街に花束を抱えて立っていた。 絶え間なく響く蝉の音に、何度も引き直したア…

のぐり
1年前
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#12.にっき

心がシャットダウンしているなと感じる。 きっとあれだろうか……と思い当たる節はいくつか。 …

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#10.今夜の心臓

慣れた布団に包まれて、夜明けを待つ。 今夜の心臓は、まるで私の身体に溶け込むのを拒むよう…

のぐり
1年前
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#9.すきなものは心のリセットボタン

あーあ、なんも書けなくて、困った困った。 どうやら、最近の私は疲れているようである。 人…

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#7.ワイシャツ

色素の薄い空を縁取った窓と向かい合わせに座り、半分閉まったカーテンもそのままで炬燵に足を…

のぐり
1年前
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#6.旅の終わり

三寒四温とは言うけれども、まだまだ寒い日が続く。前いたあの街では桜が咲いている季節なのに…

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#4.気になるあの子

なんでもない秋の日、風呂場の隅に丸っこい影を見つけた。4本の脚を大きく広げ、黒い目を忙しなく動かしながら壁のタイルにぺたりと張り付いている黄緑色。 「え、カエルじゃん」 私が近づくと、素早くタイルを3歩ほど登って足を止め、短く瞬きをした。逃げ回ると思ったのに、案外落ち着いている。 目立つ色の身体は乾いた土で汚れていた。風呂場の窓も扉も締めていたはずなのに、君は一体どこから来たの。独りで紛れ込んでしまって、帰る算段はあるのだろうかと暫く見守っていたが、カエルはちっとも動かない

#3.眩い記憶と潮のにおい

「そういえば私、鎌倉行きたいんだよね。行ったことなくてさ」 「おぉ、いいじゃん。じゃあ行…

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