お客さまとスタッフが安全であるために、ZIPAIRの“安全文化”を築く。~#空の仕事人 #01~
こんにちは。ZIPAIR note編集部です。
皆さんは、エアラインにはどんな仕事があると思いますか? これまでにもnoteでは客室乗務員や機内サービスの企画担当者などさまざまなスタッフが登場してきましたが、それ以外にもまだ多くの職種があり、一丸となって飛行機を飛ばしています。
「エアラインのこと、ZIPAIRのことを皆さんに少しでも知っていただきたい」という思いから、スタッフたちが自らの仕事を語る新連載をスタート!「空の仕事人」と題し、担当している業務の内容や、どんな想いを持って臨んでいるのかをお届けします。
第1回は、安全推進部の近藤桂子さん。エアラインの基盤となる「安全」をどのように守っているのでしょうか。
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こんにちは。安全推進部の近藤です。
安全推進部とは、エアラインの要である社内の安全を強化・促進する部門のことです。具体的には、航空運送の安全維持、向上を目的とする安全管理方針の確立、危険の特定や分析・評価などを行うリスクアセスメント、錯覚や人為的エラーの裏に潜むヒューマンファクターの分析、監査や調査の実施、安全文化の浸透などがあります。
そのなかで私は主に危機管理の担当をしており、航空機事故や重大インシデントに対する緊急対策や、ご被災者やご家族への支援計画に関する立案をはじめ、マニュアル作成や、ZIPAIR社内や海外就航地での教育なども行っています。
ZIPAIRにとって、安全は大前提です。
私たちの部門は決して華やかではなく、地道な努力と忍耐を要しますが、ご搭乗いただくお客さまやお帰りを待つ大切なご家族に、安全な空の旅を提供できるよう日々の努力を惜しみません。大事な「いのち」を次の世代につないでいくために、縁の下の力持ちとして、安全を守り強化することに取り組んでいきます。また、安全は「運航」に限ったことでもありません。そこで働く社員の一人一人の身と心が安全であることも安全の一つであり、会社の財産の一部だと考えています。
私の業務は、パソコンとインターネット環境があれば世界のどこにいても可能ですが、仕事に取り組むうえでモニターと手帳は重宝しています。
海外就航地の危機管理体制の構築を行う際、業務委託先にZIPAIRの緊急対応初動やポリシーを一から教育しますが、扱うマニュアルや教材は英語で文字数が多いものがほとんどです。特にマニュアルの作成は幾重もの確認作業や、読み手が確実に理解できる細かな表現が必要となります。社内にある個室ブースの大きなモニター画面にそれらを映し出しながら業務を行うことで集中でき、効率的に仕事を進められます。スピードと丁寧さの両方が求められる私の仕事にとっては無くてはならないツールです。
また、毎日パソコンや携帯電話など便利なツールを使う時代だからこそ、予定はWeb上で管理するだけでなく手帳に書き込むようにしています。手で書くことで細かい部分に気づいたり、物事をほかの角度から見たりと脳を活性化させることができます。安全に対するハザード(危険の要因)や矛盾に気がつく手助けにもなると思います。
ハザードにどう気がつき、どのように対策を施すかは、エアラインにとって安全の要の一つで、エラーに対する原因や対策を模索するなかで社内ではたくさんの言葉が交わされます。ですが、ハザードは職場環境のみならず日常生活にもたくさん転がっており、社員同士だけではなく、日々の生活でも家族や友人と正しいコミュニケーションを図ることができるのはとても重要で、投げかける言葉や自身の思考によって自他の行動が変わってきます。
まずは、1日に5回、同僚や部下、特にご家族、パートナー、大切な人に「ありがとう」を言ってみてください。ほんのちょっとしたことで、ものの見方や世界観が変わるかもしれません。
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私は、旅客サービス業務に長年携わったのちに、航空機事故や自然災害対応、それに関わる事業継続計画(BCP)の策定や、今回の新型コロナウイルス感染症のようなパンデミック対応などを含む危機管理の世界に7年ほどおります。ZIPAIRはまだ新しい会社で大きな可能性を秘めており、「ZIPAIRなら安心!」とお客さまに思っていただける会社になるよう成長していきたいと思っています。
安全の世界は非常に奥が深く、ゴールはありません。だからこそ、丁寧に小さな努力を確実に積み重ねていくことが大切です。空の安全を守るのは人であり、日ごろから整備や運航に対する安全点検、スタッフの訓練もしっかり行っていますが、ときには飛行機の出発時間が遅れることもあるかもしれません。お急ぎのお客さまには大変なご迷惑をおかけすることになり、心苦しいときもあります。ただ、もし皆さんがそんな状況に出くわしたときは、私たちが安全を最優先し、何重もの確認を行っていることを、心のどこかにとどめ置いていただけると幸いです。
ZIPAIRは、迷ったときは必ず安全を優先します。それを地道に繰り返し、危険要素を一つ一つ取り除きながら、これからもお客さまが安心できるフライトを提供するために社員一丸となって安全を追求していきたいと思います。