#15 胃袋と心を同時に満たせる食事こそが一番健康的
(1317字・この記事を読む所要時間:約3分 ※1分あたり400字で計算)
最近、ようやくちゃんとした自炊を始めた。
「ちゃんとした」というのは、これまでしてきた自炊があまりにも手抜きでいい加減だったからだ。
外食するとかなりの食費がかかってしまうのでなるべく自分で作るようにしているが、忙しくて落ち着いて料理することが出来ないので、自炊とはいえ至って適当で雑だった。
朝は食パンをただレンチンしたものを水と一緒に胃袋に流し込み、
昼は菓子パン+コーヒーという栄養要素ゼロのジャンキーランチ、
そして夕食なんてありあわせのものだけをとにかくかき集めて食べるというスタイルで、一時は魚肉ソーセージ2本+紅茶という実に奇妙な組み合わせなものでさえあった。
(そもそもこれらは自炊に入るのか?)
嗚呼、おそろしや。
その後「せめて昼食だけはちゃんと用意するか」と思いお弁当を作ろうとしたものの、平日はなかなか時間が出せない。
なので結局週末に「一気作り」をするしかなく、これは即ち月~金までの5日間の弁当用おかず・ご飯を土日に作り置きすることである。
そうすればどんなに普段忙しくても、冷蔵庫内の「在庫」からおかずと白米を前日の夜にお弁当箱に詰めれば良いので、手間もかからず楽ちんだということだ。
ただし。
ここまで読んで一部読者は既にある心配が脳内をよぎったと思うが、なんせ5日間もおかずとご飯を冷蔵庫に置いているわけだ。
勿論、徐々に鮮度が落ちてくる。
火曜日までは何とか美味しく食べられるとしても、木曜日になる頃にはもうしなしなだ。
特に華金のお弁当なんて、魂が抜かれたようにくたびれている。
お世辞にも美味しいとは言えない。
嗚呼、わびしや。
ところが、だ。
最近になって嘘のように忙しさが落ち着いた。
ようやく、そしてせっかく時間と心に余裕が出来たということで、これを機にやはり食事はちゃんとしたものを作って食べようと思った。
さっそくエプロンをきゅっと付け、台所に立つ。
野菜を丁寧に洗って切り、
肉は下処理をし、
スープはきっちりダシを取り、
盛りつけにも一工夫を入れる。
テーブルにランチョンマットを敷き、きれいにお皿を並べ、両手を合わせてーー
「いただきま~す!!!」
乱雑な料理ばかりしてきた私だ。
素人並の腕前の故、たとえ自炊の姿勢を変えたところで味が格段に改善されるわけでもない。
味噌汁は薄すぎ、
和え物は水っぽくて、
炒め物も気合い入れすぎてちょっと焦げている。
でもなんだろう。
食べ進めるにつれて、胃袋だけでなく心もどんどん満たされて充実になっていくのだ。
私の自炊は「料理」としては欠陥品でしかない。
でも、「食事」としては十分だったのだ。
「料理は愛情」だと言われている。
確かに、自分だけに向けて作ったものだとしても、味はまあまあだとしても、心を込めた料理であれば胃袋だけでなく心でさえも満たせる。
これが即ち「愛情の味」なのだろう。
食事は栄養補給だ。
食材の栄養は胃袋で消化され身体に送られ、
愛情の栄養は心で消化され精神に送られる。
とびきり美味くなくても、胃袋と心を同時に満たせる食事こそが一番健康的なのだ。
自分を愛する方法が分からない方は、まず自分の為にちょっとした手料理を送ってみるのはどうだろうか。
それだけで生活の質がガラッと変わること間違いなしだ。
📚時に愛情料理は、魂でさえ救う
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