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史上最悪な作戦

歴史を読んでいくと、上層部の人が頭が悪すぎると部下達が痛い目に会うことがよくあります。

1944年インパール作戦はその典型例です、古今東西あらゆる戦争においてもこれ以上に愚かな戦いがありません。

作戦指揮官は牟田口廉也、1937年盧溝橋事件つまり日中戦争の発端となった事件も彼の部隊の仕業です。その後太平洋戦争が勃発、牟田口はミャンマー(ビルマ)戦線の第15軍中将司令に任命されました。

牟田口廉也

当時の日本軍はミャンマーからインドを攻め落とせば、イギリスに強くダメージを与え、不利な戦況を変えると考えていました。牟田口着任後積極的に作戦を練りました。これは彼の私心によるものでもあります、牟田口は陸大29期卒業生であり、年齢の近い28期の山下奉文、30期の石原莞爾などはとっくに功績を作ったに対し、自分は状況が最も厳しい時期に辺境に飛ばされ、もし何か大きな結果を出せなければ出世はほぼ不可能だろうと。

牟田口にとってインドは最後のチャンスです。着任後、牟田口は参謀メンバーを自分の人に替え、忠誠心は問題がないでしょうが、現地状況が知っている人がなくなりました。

こんな状況で牟田口は想像力をフル活動して作戦計画を立てました。

ミャンマーからインドへ攻めるため、1番の困難は補給です。そもそも旧日本軍元々補給をあまり重視していなかった。もっと厳しいのはインドの重要拠点インパールまで700キロ以上の熱帯雨林無人地域を通らなければいけません。道すらないのに、補給部隊を連れて通るのは相当な想像力が必要です。

牟田口は最も得意な精神論を持ち出し、弾丸が足りなかったら空へ威嚇射撃すれば敵が投降するだろうと。日本民族は草食民族であり、こんないっぱい森に囲まれてまだ食料がないと言うのかね。

言い放題ですが、流石に葉っぱを食べさせるわけにはいかないので、食料問題をちゃんと解決しないと。

そして牟田口は優れた想像力を生かして「ジンギスカン作戦」を思いつきました。

昔々、神の鞭の異名を持つジンギスカンはユーラシア大陸を制圧する時、いつも大量な牛羊を連れていました。そこで牟田口も先人の偉業を学ぼうとしました。

現地で牛を調達し、荷物を運ばせた後食糧として利用するという完璧な作戦です。

司令の命令が出た以上、第15軍はミャンマーで3万匹牛羊を強奪し、軍営も瞬時に牧場と変身しました。

計画通りと思っていた牟田口は進軍の命令を下し、第15軍は無人地へ突入しました。しかし、牛羊は司令殿の命令を聞くわけがないし、軍人も扱い方法が分からないため、途中で逃げていく動物達に翻弄されました。

ジンギスカンは遊牧民族、動物の扱いがわかっているし、熱帯雨林と草原そもそも場所が違すぎった点について想像力が追いつかないみたい。

結局行軍途中すでに大半な動物達が四散し、しかも時は1944年例え森林地域でもこんなに大量な動物が移動したら気づかない方が難しい。可哀想な第15軍と動物達はイギリス軍の空襲を耐え、やっとインパールに到着した時動物もほとんど全滅され、ジンギスカン作戦も笑えないぐらい笑え物になってしまいました。

疲労混沌の兵士達がインパールに到着すぐ総攻撃令が下され、4月20日(天皇誕生日)までインパールを攻め落とすと。

こんな状態の軍隊は結果を出せるわけがありません、例え前線の兵士が玉砕突撃を行っても効果がなかった。しかし、後方にいる牟田口は定時に仕事を終え遊んでいる毎日。司令官の楽しい生活はイギリス軍によって前線兵士に暴露され、軍士気は非常に下げられました。7月雨季に入り補給は完全に途切れ、病気になっても治す薬がないため、非戦闘減員が日々増え、これ以上やっても意味がないと思い、師団長達が命令違反して作戦を中止しました。

しかし、撤退と言っても簡単なものではない、どうやってきたのかまたそのまま帰るわけです。700キロの熱帯雨林を越え、ミャンマーに帰った時、

出発時の9万人は1万人しか残っていない、戦死者は約3万人、残りは全部補給問題で亡くなりました。

こんな大失敗牟田口は認めるわけにはいかないので、命令違反した師団長を処分(越権行為)、しました。流石に見るも耐えられなかった軍部は牟田口を罷免し予備役に編入しました。

戦後、牟田口は同盟軍に引き渡されたが、起訴されなかった。何故なら同盟軍の捕虜虐待していなかった上(ひたすら日本軍兵士を虐待していたもの)、インパールの戦いでイギリス勝利の重要な理由は彼の無謀な指揮によるもの、むしろ「英雄」です。

これこそ切腹しても罪を償えないだろうと思いきや、戦後牟田口は普通にジンギスカンという名の料理屋を経営して、77歳の高齢で亡くなり、晩年は作戦における自己弁護活動に専念していました。

ある意味こんな人物も後世の人々に警鐘を鳴らし、いつも精神無敵論を掲げる人はできる限り離れるべき、こんな人の言葉を信じてしまったら痛い目にあうのは間違えいない、頭も心も悪い人は他人の犠牲に責任を取りませんから。

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