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詩論

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試論
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#哲学

芸術の弁証法 自己と他者

 「印象派の歴史」という本を読んでいるのだが、考えさせられることが多い。モネやセザンヌと…

げんにび
1日前
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詩とポエムの違いとは何か

 詩とポエムの違いは何か、みたいな記事が流れてきて、noteの詩界隈が若干荒れているのを見た…

げんにび
1か月前
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二十億光年の孤独 スピリチュアリティとは何か 神話と詩

 「スピリチュアル」というと怪訝な顔をされる。占いとか魔術とか引き寄せの法則とか陰謀論と…

げんにび
1か月前
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良い表現とは何か 普遍の受肉 親鸞と悪の詩

 絵を描いている知り合いに「自分は少女性みたいなことをテーマにしているけれど、同じモチー…

げんにび
1か月前
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境涯の復興 表現と人生 西洋と悪

 種田山頭火の俳句集を読んでいたら、ふと「境涯」という概念が重要なのではないかと思った。…

げんにび
1か月前
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クリエイターという呪い 表現主体と表現内容

 作家の顔を見るのが嫌で、裏表紙に載っている顔を見ないようにしている時期があった。小説を…

げんにび
1か月前
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哲学と芸術の根底にあるもの

 この「驚異」をギリシャ語で「タウマゼイン」というらしい。平凡な哲学者と優れた哲学者の違いはここにある。ハイデガーとウィトゲンシュタインは20世紀哲学の中の最大の収穫と言われるが、2人とも存在に驚愕、神秘を感じている。現代の日本の哲学者で「この人は哲学者だな」と思うのは永井均と古東哲明と中島義道ぐらいだけれど、3人とも「驚愕」をしている。永井均は「私が私であること」に、古東哲明は「存在していること」、中島義道は「私が死ぬこと」に驚愕している。このパッションというか、気分が重要

芸術と虚無主義と救い

 画家の友人が医者と話した後に「医学のすばらしさと共に絵画の無力さを知った」と言っていて…

げんにび
1か月前
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なんのための芸術か

 久々に友人とチャットしたのだが、鶴見俊輔の「限界芸術論」についてはなした。鶴見俊輔は「…

げんにび
2か月前
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身体で考える 身体で創作する

 アメリカの底辺高校が、授業前にキツ目のランニングをする習慣を義務付けたところ、全米で1…

げんにび
2か月前
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日本の西洋崇拝 哲学と芸術 よそ行きと普段着

 日本の近代文学は、何か滑稽なところがある。三島由紀夫は今ではイジられることが多いし、太…

げんにび
3か月前
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詩と身体 抑圧とメンタルヘルス

 「身体はトラウマを記憶する」という名著がある。生理学的、解剖学的にどこにどうやってトラ…

げんにび
3か月前
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人間とリズム 中原中也 コーラン 霊性

 中原中也が好きだった。久々に彼の詩集を読むと「何か違うな…」と思った。感傷ばかり書いて…

げんにび
3か月前
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誰に向かって作品を創るのか?

 「自分のために創作をする」という人もいれば「他人のために創作をする」という人もいる。体質なのだと思う。自分の表現欲求やフェティシズムを充たしたい人であれば、自分のために創作をする。承認欲求に創作を従属させている人や、共感が欲しいという人は自己/他者のあわいに存在している。他人のために創作をするという人は、自己の作品で他人を喜ばせたいという利他の気持ちで作品を創っている。  ここに書いている文章は、思考の整理のため、あとは自己の思考が他人のためになればいいなと思って書いてい