哲学と芸術の根底にあるもの
この「驚異」をギリシャ語で「タウマゼイン」というらしい。平凡な哲学者と優れた哲学者の違いはここにある。ハイデガーとウィトゲンシュタインは20世紀哲学の中の最大の収穫と言われるが、2人とも存在に驚愕、神秘を感じている。現代の日本の哲学者で「この人は哲学者だな」と思うのは永井均と古東哲明と中島義道ぐらいだけれど、3人とも「驚愕」をしている。永井均は「私が私であること」に、古東哲明は「存在していること」、中島義道は「私が死ぬこと」に驚愕している。このパッションというか、気分が重要