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詩論

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試論
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記事一覧

自閉症スペクトラム障害の心理学 心の層

 この年までASDとして生きてきて、定型の人や発達の人とたくさん関わってきたが、層として捉…

げんにび
1日前
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芸術の弁証法 自己と他者

 「印象派の歴史」という本を読んでいるのだが、考えさせられることが多い。モネやセザンヌと…

げんにび
3日前
17

詩とポエムの違いとは何か

 詩とポエムの違いは何か、みたいな記事が流れてきて、noteの詩界隈が若干荒れているのを見た…

げんにび
1か月前
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二十億光年の孤独 スピリチュアリティとは何か 神話と詩

 「スピリチュアル」というと怪訝な顔をされる。占いとか魔術とか引き寄せの法則とか陰謀論と…

げんにび
1か月前
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良い表現とは何か 普遍の受肉 親鸞と悪の詩

 絵を描いている知り合いに「自分は少女性みたいなことをテーマにしているけれど、同じモチー…

げんにび
1か月前
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境涯の復興 表現と人生 西洋と悪

 種田山頭火の俳句集を読んでいたら、ふと「境涯」という概念が重要なのではないかと思った。…

げんにび
1か月前
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クリエイターという呪い 表現主体と表現内容

 作家の顔を見るのが嫌で、裏表紙に載っている顔を見ないようにしている時期があった。小説を読んでいると作家の顔が浮かんできて、内容に集中できない。「ここをこう書くとこういう効果を与えられるだろう」という作家の「意図」が見えて嫌だった。勘ぐりや投影かもしれないけれど。  オースティンという言語学者の「パフォーマティブ」と「コンスタティブ」という概念がある。「結婚します」という言表は「誓い」という「実践」を意味することもできるし、「結婚をする」という「事実」を意味することもできる

哲学と芸術の根底にあるもの

 この「驚異」をギリシャ語で「タウマゼイン」というらしい。平凡な哲学者と優れた哲学者の違…

げんにび
1か月前
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芸術と虚無主義と救い

 画家の友人が医者と話した後に「医学のすばらしさと共に絵画の無力さを知った」と言っていて…

げんにび
1か月前
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なんのための芸術か

 久々に友人とチャットしたのだが、鶴見俊輔の「限界芸術論」についてはなした。鶴見俊輔は「…

げんにび
2か月前
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身体で考える 身体で創作する

 アメリカの底辺高校が、授業前にキツ目のランニングをする習慣を義務付けたところ、全米で1…

げんにび
2か月前
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日本の西洋崇拝 哲学と芸術 よそ行きと普段着

 日本の近代文学は、何か滑稽なところがある。三島由紀夫は今ではイジられることが多いし、太…

げんにび
3か月前
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詩と身体 抑圧とメンタルヘルス

 「身体はトラウマを記憶する」という名著がある。生理学的、解剖学的にどこにどうやってトラ…

げんにび
3か月前
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人間とリズム 中原中也 コーラン 霊性

 中原中也が好きだった。久々に彼の詩集を読むと「何か違うな…」と思った。感傷ばかり書いていて、こういった詩よりも谷川俊太郎や田村隆一のような、哲学を歌うような詩のほうが自分の好みに合っているのだと思った。  けれど、読み進めるうちにやっぱり中原中也が好きだった。なぜだろうと考えると、リズム感が素晴らしく良い。全部すっと入ってくるリズム感で、文字面を追うだけで心地よく響いてくる。宮沢賢治は自然ばかり歌っていて、僕は情景をイメージするのが下手なのに、恐ろしいほど心に響くからなぜだ