黒澤明監督『影武者』アメリカでも評判を呼んだ戦国巨編
<作品情報>
<作品評価>
70点(100点満点)
オススメ度 ★★★☆☆
<短評>
おいしい水
うーん、長い!黒澤明の色彩感覚や歴史スペクタクルをまとめあげた手腕は認めますが、全盛期の『七人の侍』『蜘蛛巣城』なんかと比べるとキレがなく冗長に感じました。
巻き込まれた男をユーモラスに、かつヒューマニズム溢れる目線で見つめるのはよかったです。
ただ、それと同じ比重で各武将の陰謀や勝頼の反発を描いているため話にまとまりがなく感じました。
歴史考証を飛ばしてカラフルな衣装や美術をみせるのはいいのですが、戦闘シーンもいまいちキレがありません。
影武者の夢のところはよかったかな。でもあれも長すぎます。
黒澤明の美学はそのままで、せめて二時間強くらいに収まっていたらもっと良かったのにと思います。
このあとの『乱』や『夢』『八月の狂詩曲』は好きな作品なので、翻案やオムニバス、現代劇に資質がシフトしてしまっているんだと思います。
吉原
武田信玄の影武者として生きる運命を背負わされた男の物語。コッポラとルーカスがプロデューサーとして参加していることからも黒澤明が「世界の黒澤」と言われる所以がわかります。
大作という名に相応しいスケールと描写で凄いと思わせるシーンは何度もありますが、やはり3時間は長いと感じてしまいました。3時間あること自体は一向に構わないのですが、武田信玄本人の物語ではなく、あくまでも影武者の話なのでそこまで派手なエピソードがあるわけでもなく展開的には微妙。
影武者の夢のシーンとラストはすごく印象的でした。今の邦画では予算の都合もあってこんな美しいシーンは撮れないんだろうな… せっかくいいお手本があるのに勿体無い。
<おわりに>
巨匠・黒澤明が手掛けた壮麗な戦国巨編です。映像に魅了される作品です。
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