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エリア・カザン監督『波止場』力強い社会派ドラマ



<作品情報>

「欲望という名の電車」のエリア・カザン監督とマーロン・ブランドが再タッグを組み、1955年・第27回アカデミー賞で作品賞・監督賞・主演男優賞など8部門に輝いた社会派ドラマ。元ボクサーの青年テリーは、現在はギャングのジョニーが支配するニューヨークの波止場で働いている。ある日、テリーと兄チャーリーはジョニーに命じられ、殺人事件に関わってしまう。やがて被害者の妹イディと知り合ったテリーは、兄の死の真相を追求しようとする彼女に心惹かれていく。イディに感化され、自らの信念に基づいて生きることに目覚めるテリーだったが……。後に「北北西に進路を取れ」などに出演するエバ・マリー・セイントがイディを演じ、映画初出演にしてアカデミー助演女優賞を受賞した。

1954年製作/108分/アメリカ
原題:On the Waterfront
配給:コロムビア映画会社
劇場公開日:1954年6月22日

https://eiga.com/movie/48015/

<作品評価>

80点(100点満点)
オススメ度 ★★★☆☆

<短評>

おいしい水
エリア・カザン監督の代表作であり、『ロッキー』やスコセッシの諸作にも多大な影響を与えました。
エリア・カザンが赤狩りで仲間たちを裏切ってしまった贖罪として作られたとも言われる本作ですが、最後には自分の尊厳を守るための熱い闘いを繰り広げる傑作でありました。
撮影が素晴らしく美しいです。画面構成も考え抜かれています。冒頭のショットや労働者たちが倉庫の前で集まる場面の大きな船が圧迫するのは、逆らえない権力を表すなどなど。
マーロンブラントがヒロインに真実を話す場面の音響に圧倒されました。あそこは名シーン!
流石名作とされるだけあります。傷ついた男の再起をかけた物語で本当に感動しました。

吉原
元プロボクサーの主人公がニューヨークの波止場でギャングからの日雇いを受ける話。正義感の強い男が悪に飲まれることなく、自分の良心で証言台に立ったり、自分のボスに立ち向かったりする姿はカッコ良かったです。
凄く優しくて善人に見えるマーロン・ブランドなんだけど、ちょいちょい暴力振りそうな危なっかしさを感じるのは「欲望という名の電車」のせいでしょうか笑「ゴッドファーザー」での彼からは考えられないほどセクシーでかっこいい男なんですけどね。モノクロの映像も引き締まっててかっこよかったけど、何よりも音楽がいいと思ったらレナード・バーンスタインが担当されていました。

<おわりに>

 名匠エリア・カザンの社会派ヒューマンドラマです。計算し尽くされたモノクロの画面も素晴らしいですね。

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