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行定勲監督『GO』エネルギッシュな青春物語



<作品情報>

高校3年の杉原の国籍は韓国だが、普段はまったく気にしない。桜井という少女とつきあうようになり、いつか自分の国籍を告白しなくてはならないと思っていたある日、同じ国籍をもつ親友に悲劇が起こる。原作は金城一紀の直木賞受賞作「GO」。監督は、昨年の釜山映画祭で国際批評家連盟賞を受賞した「ひまわり」の行定勲。脚本はTV「池袋ウエストゲートパーク」の宮藤官九郎。同番組に出演した窪塚洋介、「バトル・ロワイアル」の柴咲コウら若手人気俳優が共演。

2001年製作/122分/日本
配給:東映
劇場公開日:2001年10月20日

https://eiga.com/movie/1406/

<作品評価>

75点(100点満点)
オススメ度 ★★★☆☆

<短評>

おいしい水
行定勲、宮藤官九郎らしいポップな作品でした。在日コリアンを題材にしつつ明るいタッチで描いていきます。あまり好みではなかったですがよく出来た作品です。
窪塚洋介、柴咲コウという若手スターもよかったですし、山崎努、大竹しのぶといったベテラン勢もよかったです。「くるぱー」というあだ名をつけられた窪塚洋介演じる杉原のアイデンティティーをめぐる物語で、その過程で出会う柴咲コウ演じる桜井との恋愛映画でもあります。
トーンや勢い、題材で近いのは『パッチギ!』であろうか。これもキネ旬1位だったな。ただ疾走感で押し切った『パッチギ!』とは微妙に違って本作は外連味のある演出が特徴かと思います。
フレッシュな若手の演技と熟練のベテラン勢の演技、ポップな演出にユーモア溢れる脚本、それぞれ相乗効果があり上手く映画として成立してると思います。
行定勲なら最近の『劇場』『窮鼠はチーズの夢を見る』の方が好きだが、本作の方が本領に近いんだろうなと思います。これはこれでフレッシュ感があっていいです。なかなか楽しく観ることが出来ました。映画賞総ナメはやや過大評価な気がしますが、ポップな青春物語として楽しい一作でした。

吉原
在日朝鮮人の恋愛を描いた作品。同じく在日朝鮮人の高校生を描いた「パッチギ!」よりも少し前に制作された作品で、あちらよりも少しシリアスな場面が多い印象があります。
鑑賞当時、邦画をあまり観なかった僕が邦画に引き込まれた作品でもあります。窪塚洋介のオラオラは勿論のこと、物語、撮影法、どれをとっても非常に好みの映画でした。

<おわりに>

 行定勲監督らしい作品でした。社会問題を織り込みながらポップに仕上げる手腕が見事です。

<私たちについて>

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